Hayakawa pocket mystery books
被害者のV

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  • サイズ 新書判/ページ数 259p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784150017378
  • NDC分類 933
  • Cコード C0297

内容説明

女の悲鳴が事の発端だった―二一分署管轄内で起きたひき逃げ事件は、目撃者によれば、奇妙なことに事故の直前に悲鳴が上がったという。駆け付けた三級刑事ミッチ・テイラーは機転を利かせ、鑑識を呼び寄せる。悲鳴を上げた女性の部屋では猫が死んでおり、当の女性はなぜか火傷を負っていた。しかも、彼女と会う予定だった男が、すでにホテルで撲殺されていた。鑑識のジャブ・フリーマンの協力により、死者に纒わる人々の秘密が次第に浮かび上がり、ついにはひき逃げ事件との関連が…警察捜査の実態をリアルに描いた世界で最初の警察小説。

著者等紹介

トリート,ローレント[トリート,ローレント][Treat,Lawrence]
1903年生まれ。MWAの創設時からのメンバーで会長も務めた。65年に「殺人のH」でMWA賞最優秀短篇賞を受賞。本書から始まるシリーズを書き続け、“警察小説の父”と評された。98年没

常田景子[ツネダケイコ]
東京大学文学部心理学科卒。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

60
〔再読〕1945年世界初の警察小説であり、作者は警察小説の父と呼ばれている。アメリカのある都市の21分署管内で、ひき逃げ事件が発生する。ミッチ・テイラー刑事が駆けつけ目撃証言を取ってみると、何故か事故より先に悲鳴が聞こえたらしい。悲鳴を追い掛けると、その部屋の女性は火傷を負って倒れており、更には待ち合わせしていた男性はホテルで殺されていたのだ。鑑識のフリーマンを筆頭にキャラ設定がハッキリしているので、チーム捜査だが分かり易くて良い。その意味に於いても捜査活動を主題においた初のミステリー、読んで損なしです。2016/08/16

たーさん

10
連続猟奇殺人やらヘビーな物ばかり読んでいたから、こうゆう警察小説を読むと何だかほっとします。世界で最初に書かれた警察小説。警察小説のフォーマットが全て詰め込まれて驚き!主人公の二人の刑事がこれまた良い。若手刑事のテイラー刑事。少々短期な所があるけど真っ当な刑事。そして鑑識官のフリーマン刑事。70年近く昔のストーリーなのに科学捜査官を登場させているのがびっくり。現場の刑事の捜査と科学捜査官による物証による検証捜査。警察小説のお手本といった話で警察小説が好きな方にはオススメです。2022/04/14

bapaksejahtera

10
1945年世界初の警察小説の由。これ以前の警察小説は「名探偵」が単独に謎を解くスタイルで、警察官が組織として捜査に当たる小説はなかった。本作主人公刑事の相棒といえるのは分光分析が得意の鑑識課の職員である。組織的な刑事警察が当時存在しなかったと言う事を示しているのか。少々疑問だ。本作の刑事といい他の殆どの登場人物といい、いずれも変わった性格で、舞台劇の様に心理表現めいた科白の奇矯さが目立つ。地の文の性格描写は少なく、実験小説の様だ。Mスピレインの登場で存在感の薄れた作家らしいが、理由はそれだけではなかろう。2021/11/13

guriko

3
著者初読。作者は警察小説の父で、本書は世界初の警察小説というふれこみ。1945年の作品だから今から約80年前。「警察に入るなんて馬鹿な奴だけだ。来る日も来る日も働いて残業手当もつかない。(中略)それより問題なのは、帽子の角度が気に食わないとか難癖をつけたがる民間人の前に無防備にさらされていることだ(略)」いるよね、2025年になっても、警察官や消防署員や救急隊員が緊急時以外にコンビニに寄ったとかで通報する奴が。2025/05/22

kikizo

0
あっち行きこっち行きの展開であたふたしてしまった。発行が2003年なんで、新しい話かと思いきや、警察小説の古典的なものだとのこと。古さは意外と感じませんでした。他の作品も読んでみたいです(*^^)v2015/01/22

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