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内容説明
キングズマーカムの町中で二人の少女が相次いで誘拐される。奇妙なことに少女たちは誘拐されてすぐ、何事もなかったように無傷で帰ってきた。しかも警察や家族の詰問にも、その間の出来事を頑として語ろうとしない。いったい少女たちに、何があったのか?事態に翻弄される警察を嘲笑うように、第三の誘拐事件が発生した…時を同じくして、子供に性的な悪戯をして有罪となった老人が服役を終えて町に帰ってきた。住民たちの不安は爆発寸前となり、大規模な暴動になりかねない勢いとなる。事態収拾に奔走するウェクスフォードを待つ運命は。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
bapaksejahtera
13
ウェクスフォード警部シリーズは本作以降も続いたらしいが邦訳はこれが最後の由。次第に長くなる作品も、本作は文庫なら上下巻にする程。一作に数件の事件とはフロスト警部シリーズと同じだが、幾つかの事件が展開し主人公と同僚たちが少しずつ謎を解いてゆく。やや纏まり無い印象。主人公の粒の立ち方が弱い。良い点といえば、女優の妹と違い主人公から疎まれた印象のある姉娘のシルヴィアが、ボランティアの家庭暴力被害女性支援活動を通じ、これ迄の観念的なフェミニストから一皮むけ、本作の中心事件の解決に大きなヒントを与えた事であろうか。2025/09/13
夜歩く
1
少女の失踪、そして何事もなかったように帰ってくる彼女たち。出所したペドファイルの帰還、近隣住民の抗議運動。警官の死。女児の誘拐とDV。社会問題てんこ盛りのHPM500項。大御所作家の後期の作品に見られる洗練した、洗練されすぎたきらいもある。現実的なケースとして、DVが常態じみた家庭で育った子供はどんな成長反応を見せるのだろう。2025/01/03
ネフスキー大通りの秋
1
私にとって2冊目のウェクスフォード警部シリーズ。これまた登場人物多く、メモ取りながら読みました。通勤電車で読むには不向きです。大都会を舞台にした派手な事件ものとは違う、小さな町の閉塞感みたいなものが、私にはしっくり来ました。2015/04/03
ヘブンリー
1
いろんな事件が並行して起こっている本を読んだのは初めてかもしれない。どれも面白い事件だが、どれも小粒でいまいち食い足りない。現実にはこういうものなのかもしれないが、小説としては雑然としている感じがする。また、それぞれの事件に伴って登場人物がいるので、人の名前が煩雑で閉口した。ウェクスフォード警部自体は好感が持てるし、DVなど興味深い内容なんだけど、この作家をもう一度読むかどうかはギモンです。2011/06/14
Natsuko Okamoto
0
あらすじだけでは全く書かれてなかったけど、DVネタ満載でちょっとびっくりした。2012/11/20