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内容説明
スコットランドで三百年ぶりに再開される自治行政の中心地となる歴史的建造物クイーンズベリ・ハウス。保安のために見学中だったリーバスたちは、その地下室の壁の奥に隠されていた人骨を発見する。いったいこれは誰なんだ?刑事魂をいたく刺激されたリーバスは、さっそく捜査にしゃしゃり出ようとするが、本部所属のエリート警部と対立する羽目になる。だが捜査に着手する間もなく、今度はクイーンズベリ・ハウスの中庭で、来るべき議会選挙の有力立候補者の他殺死体が!リーバスは事件の間に、複雑に絡み合った意外な関連を見出すが…。
著者等紹介
ランキン,イアン[Rankin,Ian]
1960年スコットランドのファイフ生まれ。様々な職業を経た後、86年に作家デビュー。リーバス警部シリーズで人気を獲得し、1997年には『黒と青』でCWAゴールド・ダガー賞を受賞した
延原泰子[ノブハラヤスコ]
大阪大学大学院英文学修士課程修了。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
34
「なんだよ、ジョン。なぜこういう場に、いつもいつもいるんだ?」いや、だって主人公だもの。今回リーバスとシボーンの間に恋愛感情めいたものが。シボーンは事件の事を相談するため部屋に誘う。純粋な相談なのだが、このちょっと前に、リーバスが車の中で手をのばしてきた時、自分の体に触ろうとしているのか?とシボーンが緊張する場面が挿入。部屋に入って音楽の好みが一緒だった事で、リーバスは更に彼女に親近感を抱く。他のロマンス小説ならば、ここからラブストーリーが始まってもいいが、本シリーズはあえてべたべたした甘さを排除。2018/11/23
み
21
リーバスさんの一作目の設定って、一流武闘派だったような。今作も、最後にフルボッコ…。お話は、絡み合ってて楽しみました(^^)2025/01/01
bapaksejahtera
11
自治議会の開設を控え、選挙や議会ビルの建設に騒がしいエジンバラが舞台。議会保安業務の閑職に追込もうとの上司の意向から、リーバスは議会へと改築する工事見学にやられる。一行はそこで20年前に殺害された死体を発見する。続いて出来した有力議員候補者の殺害事件。更には大金を残し自殺した浮浪者の謎。リーバスが無理やり入込んだ捜査からは自治政府の首都開発を巡る策謀が浮上する。このシリーズは邦訳で7作目。順に読んできたので、年取ってやや丸くなったとは言え暗鬱なムードを振りまく主人公と舞台の読書にも耐えられる。しかし長い。2022/03/07
OZAC
10
改築中のクイーンズベリ・ハウスを見学するリーバスたちは、案内係から召使を暖炉の火で焙って食べたという伯爵の怪談話を聞く。この話のくだりからミイラ化した男を暖炉の中で見つける流れはすごく効果的というか一気に引き込まれる感じがあった。今まではリーバスが単独で捜査することが多かったのだが、今回は珍しくチームを組んで事件の解明に取り組む。なんだかんだ文句を言いながらもリーバスをかばってくれるセント・レナーズ署の皆がいいなと思った。2018/01/05
ホレイシア
5
リーバスの唯我独尊の暴走ぶりは相変わらず楽しい♪。この作品の背景となるイングランドとスコットランドの政治的な微妙さが面白い。今まで「イギリスッ」と何となくひとくくりにしてきたことを反省。寒さが一段と身に染みる本であった。2010/01/11