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内容説明
カリフォルニア州北部の田舎町ポモに、並外れた巨躯と威圧的な雰囲気をまとったよそ者ジョン・フェイスが現われた。古びたポルシェで町を流す彼を、閉鎖的なポモの住民は敵意の目で見つめる。しかし実際には内省的な彼に、好意を寄せる女たちもいた。なかでも未亡人のストームは、彼のがっしりした肉体に惹かれ、家に招待する。しかしジョンが訪れると、ストームは殺害されており、偶然彼女の家に立ち寄ろうとしていた警察署長ノヴァクと鉢合わせしてしまう。署長はそれをジョンの犯行と断定するのだが…MWA賞最優秀長篇賞候補の意欲作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
guriko
2
ビル・プロンジーニにしては大人しめ。いろんな要素が混じっていて、ミステリ要素はあるもののミステリではない何か。かつては栄えたが今は衰退するばかりの疲れ切った町に一人の男が舞い戻ったことで、町にプスプスとくすぶっていた何かに火がつき、瞬く間もなく地獄絵図になる様を描くクレイ・レイノルズ『アガタイトの葬列』と、よそ者の男が幾人かを救い、彼女たちにとっては伝説となる『マッドマックス/サンダードーム』を連想した。2024/08/05
吉外武男
1
緒形拳主演の『名無しの探偵』シリーズが好きなので、プロンジーニと見るや手に取ってしまう。ミステリーとしてどうこう、ではなく人間模様の描き方がこの人の妙味だろうか。閉鎖的な小都市に異相の大男ジョン・フェイスがふらりと立ち現れたことで、事件が続発する。フェイスは何もしていないのに、地元の人間たちは元々抱えていたものをフェイスという外因に仮託するかのごとく爆発させていくさまがサスペンスフルで面白い。頭の中で勝手に映像化するならフェイス役は『マッドボンバー』のチャック・コナーズですかな。吹替はもちろん草薙幸二郎。2019/02/24
bapaksejahtera
0
単純な筋ながら登場人物が目まぐるしく語り手と変わるストーリー進行手法は斬新。2019/12/17