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内容説明
英国推理作家協会賞長篇賞候補となった本邦デビュー作。建設計画検査官バーバラは、息子の身の安全とひきかえに係争中の計画の認可をせまる脅迫電話をうけた。そればかりか、実家近くで起きた殺人の容疑までかけられてしまう。二つの事件は、はたして建設計画と関連があるのか?いっぽう、建設側証人の女性心理学者フィデリスもまた、事件に疑惑を抱きはじめていた。二人の女性にかかわる事件は、やがて、ハートの輪郭をなぞるように一つの悲劇へと収斂していくが…愛にたいする悲しいまでの渇望を描く、ミステリという名の人間ドラマ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zushhy
4
託児所の建設をめぐる公聴会で、子どもたちを騒音とみなす高齢者たちと、若い親たちのエゴがぶつかります。採決をだす検察官は子持ちの四十代女性。「わたしは幸せよ」と言い聞かせながら、家族のために身をすり減らして働きながら母としての役目もこなしてます。しかし、家族からも上司からも、女であるという理由でダメだしされてしまうのです…。この部分がほんとに切ないです。もう一人の主点人物である心理学者フィデリスの部分がクールで、読んでいてスカッとしますが。女の現実とどう折り合いをつけるか、というミステリ2016/01/11