- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
内容説明
死体はすり切れたロープの先にぶら下がっていた。衣類はぼろぼろになって手足から垂れ下がり、干からびた肉片がついている。髪はまだ残っているが、目玉は鳥の餌になってとっくになくなっている…。ウェールズの鬱蒼とした森の中で、女の首吊り死体が発見された。やがて、森のコティジに住んでいた女が数年前から行方不明であることが判明するが、捜査を担当するマッケナ主任警部は、村の老女から奇妙な話を耳にする。その昔コティジに住んでいたシメオンというユダヤ人が、絞首刑になった妻の後を追うように姿を消して以来、そこに住む者はかならず縛り首になる運命にあるというのだ。その言い伝えを裏付けるかのように“縛り首のコティジ”からもう一体の死体が発見されるにおよび、事件はますます奇怪な様相を…。古色蒼然とした村で起きた恐るべき殺人に、不気味な幽霊伝説を絡めて描く、期待の英国女流デビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shiaruvy
5
【1996.12.15 初版】 ポケミス1643番 1500番台以降では珍しく《解説》も《訳者あとがき》もない御本。←本の感想はそこかい!と云われそうであるが,事実だからしかたがない。 2017/09/06
Kitinotomodati
1
チームワークのあまり良くない捜査陣が面白かった。女性の描写が辛辣。 2019/07/02
きうりっち
1
読み始めて以前読んだことに気が付いた。再読でもおもしろかった。やりきれない人物が多く、人間に絶望しそうになるが、それを救っているのが皮肉とユーモアでしばしば吹き出してしまう。 いらつく警部や憂鬱に沈む主任警部、お気楽な刑事と人物も紋切型に近いものの楽しめる。何年もたって見つかった森の中の死体の身元をつきとめるうちに不平不満不幸に取り込まれている人々の生態が明らかになっていく。この作者の別の本を読んでみたいと思うが翻訳はあるんだろうか?2015/05/25