Ｈａｙａｋａｗａ ｐｏｃｋｅｔ ｍｙｓｔｅｒｙ ｂｏｏｋｓ 湖畔の四人―私立探偵ジョン・カディ

ヒーリイ，ジェレマイア【著】〈Ｈｅａｌｙ，Ｊｅｒｅｍｉａｈ〉/菊地 よしみ【訳】

早川書房（1996/06発売）

• サイズ 新書判／ページ数 360p／高さ 19cm
• 商品コード 9784150016364
• NDC分類 933
• Cコード C0297

内容説明

スティーヴとサンドラ、ヘイルとヴィヴィアンの二組の夫婦は、かたい絆で結ばれた親友同士だった。数週間前、凄惨な殺人事件が突如四人の身に降りかかるまでは…。私立探偵ジョン・カディは、恋人の検事補ナンシーからメイン州で二組の夫婦の三人がクロスボウで射殺され、残された一人が容疑者として逮捕された事件の調査を依頼された。容疑者のスティーヴは一貫して犯行を否認しており、事件には不自然な点も多かった。調べを始めたカディは、四人が別荘地にやってきては地元民から顰蹙を買っていた事実を知る。さらにスティーヴが勤める会社の商売敵の陰謀説や、四人に利害関係を有する肉親の存在も浮かび上がってきた。残忍な手口の背後にはいったいどんな動機が。友情の裏に隠された歪んだ人間関係に迫るカディ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[円盤人]

『つながれた山羊』での受賞ほか、今作を含めPWA賞に何度もノミネートされたヒーリイの、ジョン・カディシリーズ第8作。フィンランドのボドム湖殺人事件を連想させる、仲の良い「四人組」のうち、三人がボウガンで射殺された事件をカディが追う。作者の落ち着いた緻密な描写は健在で、それをもってカディの観察眼の高さ、頭の回転の速さが巧みに表現されている。今作は真相に至るまで時間をかけたが、犯人との対決と余韻は非常に満足のいくもの。地味だが本当にいいミステリを書くんだなあヒーリイ。何でこうもババアがかっこいいんだろ！（笑）

2018/06/01