Hayakawa pocket mystery books<br> ウィンブルドンの毒殺魔

Hayakawa pocket mystery books
ウィンブルドンの毒殺魔

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  • サイズ 新書判/ページ数 349p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784150015961
  • NDC分類 933
  • Cコード C0297

内容説明

妻を殺そう。そう思いたってからというもの、ヘンリーの頭の中は、太った醜悪な妻をどうやったら始末できるかということで、いっぱいだった。絞め殺す。崖からつきおとす?それとも、自動車に細工して事故に見せかける。いや、毒殺がいい。毒殺こそ、わが大英帝国の伝統と誇りにつちかわれてきた、秘めやかで美的な殺人方法だ。これでいくしかない。手段が決まると、ヘンリーはさっそく下調べをはじめ、タリウムという無味無臭の毒薬があるのを知った。これを料理にふりかければ、健康食品しか食べない妻のエリナーも、なんの疑いももたずに口にするだろう。だが、ヘンリーの細やかな気配りと努力にもかかわらず、妻はそう簡単に毒殺させてはくれなかった。のどかな郊外住宅地を舞台に、さえない中年男が妻をこの世から抹殺すべく、あの手この手の大奮闘をくりひろげる、ブラック・ユーモアたっぷりの英国ミステリ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

114
妻を殺そうと思い立った事務弁護士の「奮闘記」。理由がわからぬまま読者は懸命に妻を殺そうと計画し実行する男の行状につき合わされる。だが、何度か実行したもののいつも別の人を殺し、妻は相変わらず元気で生きている。警察も次第に男の行状を怪しみ的が絞られ、追い詰められた男の前に思いがけない展開が待っている…。なんというシャレた英国風エスプリとユーモアを利かせた作品であろう!! 途中で何度も吹きだしてしまった。最高にオシャレなセンス抜群のオトナの「童話」である。G476/1000。⇒2024/04/01

NAO

81
醜悪な妻エリナーにしいたげられる日々にうんざりしているさえない弁護士ヘンリーの、妻毒殺計画。というと、ひどく恐ろしげな話のようだが、ヘンリーの殺人についての思いや毒殺への悪戦苦闘ぶりは、殺人というおぞましさからは程遠いなんともいえない無邪気さに溢れている。こんなヘンリーが、実際に事件を起こしたのか。イギリス的なブラックユーモア満載のスプラスティックなコメディだが、好みが分かれそうだ。2020/02/13

空猫

42
【海外ミステリマストリード41/100】挫折しかけの斜め読み。たいした理由もなく妻を殺そうと企む夫。殺し方をあれこれ考え「毒殺」に至るも肝心の妻でなく友人知人が死んでいく…私が「ウィンブルドンの毒殺魔なのに!」…こんな無茶苦茶なことがだらだらと続き、ラストはこんな!?ただの○チガイ夫の独り騒動ではないか。ミステリでもないし。全く英国ブラックジョークってヤツぁ苦手だ。2021/08/26

藤月はな(灯れ松明の火)

40
人を呪わば穴二つ。ヘンリーは不満だらけの醜い妻エリナーを殺すことを決めた。ところが本命の妻は死なないのに自分が邪魔だなと思った人間が自分の殺害方法で死んでしまうという不条理。エリナーの殺害を思い止まったのに遂には「自分こそ、殺人鬼だ!!」と宣うパラノイアまで登場。もう、訳が分からん・・・^^;しかし、ヘンリーの妄想力の逞しさと会話は感情の浮き沈みが激しい上、軽妙なコメディめいていて面白かったです。2015/07/22

Panzer Leader

28
妻を殺そうと決心した中年男が様々な手段で殺害を試みるも、妻本人でなく無関係な親友・隣人が次々と死んでいくという不条理ミステリー小説。やたら「!」を多用した独白やら上滑りしたユーモアで読みにくし。2017/07/01

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