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内容説明
暴動に紛れて現金輸送車を襲ったのは、おれじゃなかった―。仮出所したばかりの黒人の大男デヴリーズは私立探偵ウォーカーにそう告げた。その事件が起きたのは、20年前のことだった。暴動中にビルが放火され、それに乗じて何者かが現金輸送車を襲ったのである。ビルに放火したデヴリーズは逮捕され強盗の共同謀議で有罪となった。だが放火は、当時知り合った白人の男子学生にそそのかされてやったことだった。この男が強盗を計画し、彼に罪を被せたのか?ウォーカーは白人男の足どりを追って過去の記録にあたり始めるが、そこには野望に満ちた策略が隠されていた。チャンドラーの衣鉢をつぐ著者が自信をもって放つ、正統派ハードボイルド。アメリカン・ミステリ賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maja
13
探偵エイモス・ウォーカーと共に人種問題を肌で感じるような味のあるハードボイルド。1967年デトロイトの暴動の際、ドサクサに紛れて嵌められたデヴリーズは獄中20年の間、自分を貶めた犯人を探るために「事件を反復」して時間を費やしてきた。奪われた現金は「だから自分に取る権利がある」とエイモスに犯人捜しを依頼するが、しかしこの図体の大きい男は性急で探偵の指示を聞かぬ。ジレンマを持って動く登場人物たち、脇役、端役にいたるまで魅力があり読み終えてしまうのが惜しくなる。2019/04/17
雅
2
正統派ハードボイルド2017/07/02
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