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内容説明
全身に煙草の火を押しつけられ、性器を切られた無惨な死体―警察はホモの猟奇殺人と考えていたが、死体の左手の小指が折れているのを見た私立探偵ジョン・カディは、戦友アルは拷問されて殺されたのだと確信した。ガディは友の仇を討つべく調査を始めた。アルの“敵”は何者なのか?彼がわざわざボストンまで来ていたのはなぜなのか?カディは手掛りを求め、アルの故郷ピッツバーグへ飛んだ。精力的に調査を続けるその行手にやがて差すベトナム戦争の影―カディは自らの過去をも振り返りながら、さらにペンタゴンまで探り始めた。だが、危険がすでに背後に忍び寄っていようとは、彼には知る由もなかった。やさしくもタフなボストンの探偵カディの、命をかけた復讐行を描く待望の第二弾。私立探偵小説大賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホレイシア
6
シリーズの2冊目らしいが、別に1冊目を読んでいなくても大丈夫だった。ベトナム戦争へとつながる私立探偵カディの捜査は実に興味深かった。個人的にベトナムの傷跡に興味があるからというものあるだろうが、これは1冊目を含めてシリーズを探さねばなるまい。満足。2010/10/21
円盤人
3
ボストンの私立探偵。ベトナム帰り。彼はスペンサーでもハリー・ボッシュでもない。ジョン・カディのシリーズはいつも重い球が心の真芯に来る。今作は最重量級だ。ベトナム時代の親友を惨殺した犯人を追うカディ。真面目で知的な男が迷いなく復讐に邁進する。本書は構成も見事で、別件の放火事件が並行して進むが、実は裏で繋がっていた、というお約束を回避した上で、両者を有機的に絡ませ、印象的なラストシーンへ導く。彼が最後に涙を流さないのは、生きて地獄を見てきたせいか。その地獄をもたらすものこそが、題名の「つながれた山羊」なのだ。2020/06/05
tai65
1
星4つ2014/06/07
shiaruvy
0
【1988.05.31 初版】2017/08/05