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内容説明
依頼人の女は真夜中に連絡してきた。短い電話だった。調査はこれで打切りにしたい。これ以上続けても金の無駄づかいでしかない―女はそれだけ言って電話を切った。アルバート・サムスンの胸に割りきれない思いを残したまま、女は消えてしまった…エリザベス・ステットラーと名乗る女の依頼は、2カ月前インディアナポリス近郊の町ナッシュビルから姿を消した友人プリシラ・ピンの行方を探してくれというものだった。町の住人たちは、彼女と同時にいなくなった町の実業家ビリー・ボイドと駆落ちしたものと考えていた。夫のフランクから捜索願いが提出され、家から小金を持ち出したことで逮捕状まで出ていた。ビリーはとかく女性問題を取りざたされている人物で、彼が広大な土地を相続する結果となった、都合のよい母親の急死についてもよからぬ噂が立っていた。調査が進むにつれ、サムスンの胸にいくつかの小さな疑問が芽ばえた。しかし依頼人がいなくては、それ以上追求するすべもなかった。だが三カ月後、ナッシュビル近くの森の中でビリーの死体が発見されるにいたるや、サムスンはやむにやまれず事件に再度首を突っこむことになったが…?精緻なプロット、いぶし銀の光を放つユーモア―『沈黙のセールスマン』『A型の女』などで現代私立探偵小説の最高水準と評される珠玉のシリーズ第5弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃお
27
久し振りに何度目かの再読した〈アルバート・サムスン〉シリーズ5作目。女性の依頼人に頼まれた友人の女性捜し。プレイボーイの男性と駆け落ちしたものと思われたが、思いがけない方向に転がっていく様子は本格ミステリとしても楽しめます。サムスンの少し自虐的なウィットなジョークも楽しく、思わずクスクス笑ってしまう事も。暴力行為に震える情けない様子もあるけど、それでもサムスンの生き方はやはり憧れる強さが。そうそう、本作は著者の別シリーズの主人公パウダー警部補の登場場面も多いんですよね。そちらのシリーズも再読しないと。2023/02/09
西村章
2
たぶん35年ぶりくらいの再読。初読時は学生だったせいか、芳醇なハードボイルドという印象だったけれども、今読み返すと探偵アルバート・サムスンは思っていた以上に狂言回し的な役回りで、むしろプロットを入念に練り込んだミステリという印象のほうが強い。「消えた女」の陰翳が途中からどっかにいってしまって、二転三転する展開に主眼が移るから、余計にそう思ってしまうのかも。とはいえ、1970年代から80年代初頭のアメリカ中部の生活風俗を感じ取れるという意味では、当時の「ニューハードボイルド」の手触りを再確認できたかな。2024/12/12
ボブ
2
失踪者調査、典型的な私立探偵物ですが、プロットが良く、サムスンも本当良い常識人で、地味だけと、凄く面白い、個人的にめちゃめちゃ好きな作品です。2024/01/27
中身はおじさん
2
ほんとにもう、マイクル・Z・リューインは……!!あのアルバート・サムスンの事務所に、なんということでしょう、目の覚めるような美人が!ひょー、ペリー・メイソン?ってところで、まず騙されます(≧▽≦)。いえ、以降はいつものサムスンで展開していくのですけどね。いくつもの層が重なって、複雑に進行していく物語なのに、それさえ、途中まで気がつかせないプロット。人物に関する深い洞察力。こんなに優れた探偵なのに、ど貧乏。スペンサーとは言わないけれど、も少しお金をあげてください(泣くよ)2019/06/18
わたろう
0
事件の真相を犯人自ら語るとは。まったくつまらない。2016/08/26
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