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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
12
英国の女流本格ミステリ作家のひとりである、パトリシア・モイーズの長編のひとつである。はじめに、事務弁護士アンブローズ・クインスを悩ませていたのは、サイモンはどこにいるのか?という問題だった。サイモン・ワーウィック――チャールズ卿の莫大な遺産を継ぐことになった青年の30年にわたる空白の足跡をたどる困難な仕事だ。だが、新聞の広告での呼びかけは、たちまち効果を現し、サイモンは現れた。そのときからクインスを悩ませる問題に変わった。サイモンは誰か?という話である。(→)2024/09/22
koo
4
「死人はスキーをしない」を20年以上前に読んで以来久々のモイーズ作品。富豪が死に相続人である甥サイモンが2人名乗り出てそこで殺人事件が起こり「誰がサイモンか」「誰が犯人か」という2つの魅力的な謎が提示され上手く処理されてます。1978年作としても先駆性がありますよね、素晴らしい。また「死人はスキーをしない」を読んだ時も思いましたが原題が直接的でいいですね。イギリス本格の佳作としておすすめです。モイーズは作風が地味な印象で「死人はスキーをしない」以外は読了出来ませんでしたが何作か再挑戦しようかな。2022/05/11
ヨッシー
2
傑作。これは非常に良い本格ミステリです。タイトルが「誰か」であることから、十分警戒はしていたんですけどねぇ。このサイモンの正体がかなりうぉっと思わせて来るのですよ。読者の推理の余地はほぼないんですが、正体が分かる瞬間が絵的に映えるんです。ラストまでこの謎を引っ張らないさじ加減も素晴らしいですね。この真相に関してケチをつける人もいるらしいですが、そりゃ器が小さいってもんですよ。だいたいこの謎はメインじゃないし。そしてエピローグ……うわぁ、カッコイイなぁ、ため息ついちゃいました。絶版なのがもったいない一冊。2012/11/11
kanamori
0
☆☆☆★2013/10/02