- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
38
ドーヴァー警部シリーズ一作目です。作者のジョイスは40歳を過ぎてから、作品を書き始めた人で、経験上最低の男というコンセプトで作られた主人公なので、それは間違いなくミステリーの中で最もひどい男なんだろう。最初、地方の所轄の一刑事だったのだが、もて余した署長が警部に昇進させて中央の所轄へ。更にロンドン警視庁からの応援要請に応える名目で放出されてしまう。しかし、誰からも嫌われ様とドーヴァー警部は我が道を行き、彼の力ではないが偶然にも、難事件を解決してしまうのだ。 その感覚が癖になり楽しくなる作品なのです。2014/07/25
燃えつきた棒
31
ドーヴァー主任警部の存在は、「本が好き!」のhacker さんに教えてもらった。何よりもまず、こんな愉快なミステリーを教えてくれたhacker さんに感謝したい。/ イギリスの片田舎クリーブドンで、100キロ超もある若いメイドが行方不明になる。 ロンドン警視庁のドーヴァー主任警部は、上司の命令を受け、嫌々ながら仕方なく重い腰を上げ、文句たらたらマグレガー部長刑事をいびり倒しつつ、現地へと向かう。/ ドーヴァー主任警部は、深水 黎一郎『大癋見(おおべしみ)警部の事件簿』の大癋見警部と→2025/03/24
あああ
22
フロスト警部に似ている探偵役さんだと聞いたので。うん、まぁまぁ面白かった。でもやっぱり、読みにくいんだよな......。原本が出たのも相当昔のようだし、邦訳版も古い。新訳版が出ればまた違うんだろうけど。2018/09/14
bapaksejahtera
13
第2作を読了した後での「1」。独りよがりでアクの強い持て余し者が主人公ドーヴァー。彼と組まされるマクレガー部長刑事は、それが出世の階梯での修行であると上司が判断し本人もその旨得心する見上げた男で、しかも美男という所がこの小説の救い。このコンビの馴れ初め編があるというのだが、本文中で著者は「絶対公刊しない」と宣言する冒頭があり、まず笑わせてくれる。物語は今回も舞台を英国の田舎とし、放縦な性を武器に騒動を起こす醜怪な肥満女が忽然と姿を消す幕開け。陰惨な結末となる物語だが作品全体の基調がその毒消しをしてくれる。2022/09/02
mordidaman
2
1964年作のドーヴァー警部シリーズの第一作を再読。このシリーズ、早川ミステリ文庫の初期に出版された第四作(切断)と第五作(奮闘)が面白かったので全巻揃えていた。本作のドーヴァー警部は、彼持ち前の駄目駄目な部分を発揮しつつもかなり真面目に事件に取り組む。その甲斐あって、単なる地方の若い女性の失踪事件と思われていた事件の意外な真相と犯人を解明してしまう。推理の過程は本格的で、ドーヴァー警部に負けず劣らずのヘンテコな人達がたくさん登場する所がまた面白い。公衆便所の張り込み場面は最高でした。2024/12/16