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内容説明
第一次大戦勃発を機に、イギリスの作家アシェンデンは海外からロンドンに戻った。帰国早々、彼はあるパーティに招待され、そこで一人の中年男に引き合わされた。その男こそ『R』という頭文字で通っている英国陸軍諜報部員で、アシェンデンに秘密諜報部員として働かないかとすすめるのだった。彼は数カ国語に通じていたし、なんといっても作家という職業が隠れみのになる。アシェンデンはこの申し出を承諾した。彼は、この任務がイギリスの運命を左右する重大な仕事であるばかりか、命がけの危険と隣り合わせにあることも承知していた。にもかかわらず、抑えがたい探求欲が彼にこの仕事を引き受けさせたのだ。さっそくアシェンデンは細かな指令を受けとると、ジュネーヴに向けて出発した―英小説界の大家が自身の体験に即して描く、ユニークなスパイ小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レルモントフ
2
スパイ小説というと007のような大掛かりなフィクションや実在のウォルフガング・ロッツのような華麗な諜報活動をイメージするかもしれないが、第一次大戦中のモームの実話を基にしたこの作品は、何人か使いの伝令員がいる程度の下っ端工作員が主にスイスでRと名乗るボスから指令を受けながら、他国の工作員との会話による心理戦を行う比較的地味なものである。しかし、巧みなストーリーテーリングで話は進行し、鋭い人間観察やウィットに富んだ皮肉や風刺が随所にちりばめられていて非常に面白かった。2017/06/08
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