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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
7
夜のロサンゼルスの遊園地“波止場”の大入り賑わいの中、大観覧車の中で男が殺されます。衆人環視のように見えて、どこにも目撃者がいない。その観覧車を見渡す方向を向いて、絵描きのアンビイに似顔絵を描かせていた女がいました。事件のあと、姿を消します。犯行か犯人を見ていたのではないか、あるいは犯行に何らかの関係があるのか。警察は色めき立ちます。アンビイが聾唖者で、指話術(手話のことだろうな)でしか会話ができず、そんな技術がある人はほとんどいない。その女、エレン・ヘイヴンの正体は? いやあライス節だねぇ。2006/11/01
Jimmy
3
ライスのノンシリーズはなかなかクール。ドタバタはもちろん、ユーモアも薄い、ウィットはあるのかもしれないが、そこらがちょっと寂しい。と言いながらプロットはなかなかで、事件の構図も着眼点が抜群で、役回りの設定と配置が上手いので、メインネタを上手くレッドへリングしている。キーマンがそいつだったか!というちょいとした衝撃も嬉しい。2018/09/21
madhatter
2
再読。サスペンス調のノンシリーズもの。遊園地を舞台にしており、その装置が十全に利用されたストーリーだが、それが平素のユーモアではなく、ペーソスを強調している印象がある。全体的に、殺人事件よりも、ひとりの女性の正体を暴くことに主眼が据えられている作品。二人の男の視点の交錯によって、彼女が描写されて行くのだが、そのどちらも多分彼女の真実ではないと読者に思わしめる筆力は、地味ながら神憑かっている。そして、あのラストシーンでは、反発し対立してきた二人の正反対の男が、奇妙な連帯感で結ばれたような気がした。2012/05/12
zaki
2
いつものみなさんは出てこないのですが、これ、ほんと、いいですよ2011/05/14