Hayakawa pocket mystery books<br> 下宿人

Hayakawa pocket mystery books
下宿人

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784150001995
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

47
切り裂きジャック事件から着想を得て書かれた作品。貧しい下宿屋に現れたもの静かな紳士は、禁酒、菜食、聖書の研究に余念がない。文句のない下宿人に最初は気をよくしていたバンディング夫人だが、あることをきっかけに、不安に駆られるようになり、それはやがて恐慌へと変わっていく。バンディング夫人の衰弱ぶりが、彼女が感じている恐怖を一層際立たせているサイコミステリ。階級意識の強いビクトリア朝のロンドンの暗さの中、じわじわと怖さが沁みてくる。 2016/01/27

ペグ

20
巷ではジャック ザ リッパーの事件で騒然としている中、突然現れた下宿人。この小説には殺人は出てきません。外の世界の騒々しさと家の中の静寂さが対照的。バンディング夫人の疑心暗鬼と共に読んでる此方にも恐怖心が〜心理小説の傑作だと思います。(再読)2016/08/17

ヴィオラ

15
殺人事件が直接描かれるわけではないし、言ってしまえば「下宿人」の正体すら判明しているわけでもない。もしかしたら、すべてはバンディング夫妻の勘違いという可能性もある。「切り裂きジャック事件」をモチーフに書かれた作品だけど、どんな事件に関してもこういう事は起こりうるし、疑心暗鬼に陥った人の心理については他にも傑作が多いのかな?読んでみたい。2017/05/10

AR読書記録

5
切り裂きジャック事件に想を得たミステリ、なんだけど、事件についてはほとんど描写されることはなく、ほぼ心理小説として展開する。事件の真相は全く明かす気がない語りぶりで、しかしそれが不満とならず、そこはいいから、とにかくこの“善良な小市民”の生活は、翻弄される心は、穏やかな場所に落ち着くことができるのかに集中させられるのは、すごい力量だと思う。しかしやはり英国の階級社会こえぇ。紳士淑女であることは全ての免罪符。あと、関係ないけど黒博物館(スプリンガルド!)やタッソーの蝋人形館が出てくるの楽しい。上品な野次馬。2014/06/12

弾十六

0
1913年出版。初出Daily Telegraph連載1913-08-02〜(終了日、回数不明)。元々は英国Nash誌1911-01 及び 米国McClure誌1911-01の短篇を長篇化したもの。マクルーア誌の短篇版はWikiSourceにあり。 私は無料でダウンロード出来る林清俊さんの新訳で読みました。端正な文章が非常に良いです。他にも面白そうな翻訳作品がありますよ!http://classicmystery.web.fc2.com じんわりサスペンスが溢れる小説。当時の英国生活が感じられます。2025/05/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1777729
  • ご注意事項

最近チェックした商品