出版社内容情報
一度きりの生を肯定するために
アウシュビッツから生還したユダヤ人精神科医フランクル。強制収容所での体験を記した『夜と霧』で世界的に有名になったが、フランクルが本当に伝えたかったのは、ナチスによる残虐行為の数々ではなく、「どんな人生でも、生きる意味は必ずある」というメッセージだった。絶望の淵に立たされ続けたフランクルは、何に希望を見出し、まぜ生きる意志を持ち続けることができたのか。本書では、フランクルの孫弟子にあたる講師が、フランクルの激動の人生と、その生涯を賭けて世に伝えたかった思想を紹介しながら、苦難の中にあっても生き抜いた道程を探る、かっこうの「フランクル入門書」。巻末には作家・小野正嗣氏の特別寄稿を収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miaou_u
11
番組放送前の予習。夜と霧には触れていても、フランクル自身の人生についてはそれほど多くは存じずでした。フロイトとのエピソードが印象的です。2024/03/27
okhiro
0
人生は砂時計である。上が未来、下が過去、真ん中のくびれが現在であり、どの一粒を選ぶのかということが例えとしてフランクルは言っている。この粒は器のようなもので、その中をどの事象で選ぶのか、あるいは選ばざるを得ないのかということのように思う。そして自分の「過去」が次々に蓄積されていき、誰かのこころという次元でなく永遠にこの世の時空に記録されている。それくらい大切であるということがわかった。日記を書き、良い日も悪い日も丁寧に振り返ることもよいことなのですね。「それでも人生には意味がある」、まさに良い内容だった。2024/04/27