出版社内容情報
一度きりの生を肯定するために
アウシュビッツから生還したユダヤ人精神科医フランクル。強制収容所での体験を記した『夜と霧』で世界的に有名になったが、フランクルが本当に伝えたかったのは、ナチスによる残虐行為の数々ではなく、「どんな人生でも、生きる意味は必ずある」というメッセージだった。絶望の淵に立たされ続けたフランクルは、何に希望を見出し、まぜ生きる意志を持ち続けることができたのか。本書では、フランクルの孫弟子にあたる講師が、フランクルの激動の人生と、その生涯を賭けて世に伝えたかった思想を紹介しながら、苦難の中にあっても生き抜いた道程を探る、かっこうの「フランクル入門書」。巻末には作家・小野正嗣氏の特別寄稿を収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAKAPO
33
今はまだわからないけれども、人生にはきっと何かの意味がある。人生はそれまできっとあなたのことを待っている。だから苦しくてもそこから逃げてはいけない。人は誰でも、生まれながらに「誰かのために何か良いことをしたい」という気持ちを持っている。フランクルは、その気持ちを「意味への意思」と名づけた。「意味への意思」を発揮して、誰かのためになることをすると、人は自然と嬉しくなり、気持ちが満たされます。2024/06/13
aika
32
番組に心を動かされ手に取りました。強制収容所を生き抜いたユダヤ人精神科医で、著書『夜と霧』で有名なフランクルの生い立ちからその生涯を辿ります。人生が自身に何を期待しているのか、それを生きる意味と捉えるロゴセラピーを真摯に見つめる一冊です。とりわけ印象的なのは、番組の聞き手でもある小野正嗣さんの特別寄稿。フランス留学中の恩師で詩人のクロード夫妻が、アフリカ系難民の男性を家に下宿させ、もてるものを惜しみなく分け合い続ける姿をまっすぐに綴る小野さんの文章に、人間がもつ根本的な温かさを感じ、信じたくなりました。2024/10/06
miaou_u
14
番組放送前の予習。夜と霧には触れていても、フランクル自身の人生についてはそれほど多くは存じずでした。フロイトとのエピソードが印象的です。2024/03/27
Midori Nozawa
7
友達に貸していただいた本。精神医学者のフランクルはユダヤ人を迫害した強制収容所を転々と移送された。数百数千の同胞の死を体験した。そんな苦しみの中でも人生は意味をもつという確信を持ち続ける。自らの患者に対したプロとして、収容所の苦悶する同胞への語りかけを通して自らの命の意味を知る。私自身かなり人生の意味などなどを考えすぎる人間だ。フランクルによれば、実存主義とはexpedereというラテン語由来で、外に立つと言う意味。自分の内を見つめ過ぎずに、隣人に何をして喜んでもらえるかが大事と言う。死生観が学べた。2024/05/31
くれは
4
最近、また國分功一郎さんの本を読んでみているのだが、あまりに「中動態」を推したいがために「意思概念の邪悪さ」を強調しすぎていて、ちょっと食傷気味だった。アーレントをやたら目の敵にするが、彼女の言い分も与えられた状況によっては正しいところもなくはないやろ、と。なのでこの本を読み始めたとき、そうそう、意志にもそういう効用があるよね!フランクルええこというやんけ、と思っていたのだが・・・半ばを過ぎたあたりから、しんどくなってきた。2024/06/07
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