NHKシリーズ NHK宗教の時間 2022年4月~2022年
唯識 心の深層をさぐる 〈上〉

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  • サイズ A5判/ページ数 160p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784149110554
  • NDC分類 181
  • Cコード C9415

出版社内容情報

心のことわりを極限まで突き詰めた「唯識」仏教は、現在を生きる私たちの糧となる。

釈尊以来、仏教は「心」に強い関心を寄せてきた。なかでも唯識仏教は、心への関心をいっそう先鋭化し、すべてを心の要素に還元して考える立場を採った。私たちの自覚する“いわゆる「心」”は、実は表面的なものであり、その表面心を無意識の深層領域が支えるという構造として理解した。そして、この深い心の領域を「阿頼耶識(あらやしき)」と称し、過去を保存し現在と未来の行為を発出する私たちの“生存の基盤”とみた。
上巻では、初学者にも親しめるよう唯識の発祥と沿革から解説し、俳句・和歌や小説の引用、チャートやイラストなどを豊富に用い、イメージを喚起しながら、表面心→深層心へと分け入り、阿頼耶識への入口まで案内する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

加納恭史

13
東野圭吾の「宿命」には圧倒された。単なる刑事と容疑者の対決ではない。脳移植の問題とか、容疑者の妻を巡る刑事の恋心とか、事件は過去に遡り、最後に二人の宿命が明らかになる。逆に仏教の唯識を読み、因縁や縁起がやはりあるのか、気になる。唯識論として、インドのアサンガ(無著)やヴァスバンドゥ(世親)は知っていたが、アーラヤ識の分析がこれほど深いとは。唐や日本の法相宗に引き継がれたとか。無著はマイトレーヤ(弥勒)に唯識の教えを学んだとされている。玄奘によりインドから運ばれた経典に含れる。さすがに法相宗は知らなかった。2023/12/29

shimashimaon

6
唯識は西暦5世紀頃までにアサンガ(無著)やヴァスバンドゥ(世親)による考察が体系化されたものです。その立場は「すべてを心の要素に還元して考える」というもの。私たちは外部にあるものをそのままに認識するのではなく、知覚じたいが「みる領域(見分)」と「みられる領域(相分)」に分化するのだそうです。いわば心が心をみている。その認識主体は眼耳鼻舌身の前五識、わが心である第六識、深層にある自己愛の根源の第七末那識、すべての大元である一切種子識の第八阿頼耶識から成っています。上巻は前五識から第七末那識までの解説です。2022/09/23

shouyi.

4
三蔵法師、玄奘が命がけでインドから持ち帰った仏教の教えが唯識と知り強い興味をもった。心という不可思議なものをどう考えどう分析したか。NHKのラジオ放送も興味深い。10月から後半に入るが更に学んでいきたい。2022/09/11

Ise Tsuyoshi

2
「あらゆることがらをすべて心の要素に還元し、心の問題として考えようとする仏教」(p.14)が唯識。上巻は第七末那識についての説明まで。第七末那識と第八阿頼耶識の違いがよくわからないので、下巻を読みながら考えたい。2022/11/06

中桐 伴行

0
以前、唯識論の本を読んだ時に難しすぎて10ページぐらいでギブアップしてしまった。前回一時帰国したときにNHKの宗教の時間のテキストとしてこの本というか雑誌が出ていたので、ラジオで話す内容ならだいぶ噛み砕いた内容で話しているだろうと上下巻買ってきた。いや、それでも難しい…人よりは少し前提知識があるとは思うが、これラジオで聞いてわかるのか?とりあえず下巻も読んで、これに書き込みしながら、ギブアップしてしまった本を読んだりしていくしかないか…難しいわー2024/02/07

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