感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
37
ラジオの教本ですが、興味をそそられたのは、ルターの考え方が音楽ではバッハ、絵画ではデューラーやレンブラントに多大な影響を与えていること。そして、浄土真宗の始祖、親鸞との奇妙な符合。時代も場所も違えど、ただ信仰(念仏)だけで救われるとした点。恵みと他力の共通性。信ずる道を歩き、闘い続ける姿勢。カールバルトがこの共通性を指摘していたそうですが、なにか根源的なものを感じますね。たとえ明日世界が終わるとしても、それでも今日私はリンゴの木を植える。有名なこの言葉は、実はルターの言葉ではないそうです笑。2017/12/01
kawa
16
今年がルターの宗教改革から500年。NHK「らじる★らじる」の聞き逃しコーナーで、眠れぬ夜明け前の睡眠薬代り(笑)に愛聴した番組のテキスト。何回も寝落ちしてしまうので、これを購入して再挑戦。信仰・善行により励むことで神の救いを得られる(カトリック)のではなく、神は人間をいとおしみ、自ら持っている義(ただ)しさを無償でプレゼントする、それをただいただけばよいとするルターの教え(プロテスタント)が非常に興味深い。同時に親鸞の他力の教えとそっくりという記述にもびっくり。今年240冊目、良い本と出合えた。2017/12/30
Tenouji
10
宗教改革ってどう行われたのか気になって、番組を聞いてみた。キリスト教的には、カトリックとプロテスタントへの分離だし、世界史的には、中世から近代への転換点なんだね。ルター自身が最初は神を恐れていて、憎むようにもなっていたというのが面白い。ルター思想で重要なのは「キリスト教者の自由」かな。この視点が、宗教の暴走を防いでるように感じる。2018/01/13