感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ikkoku-Kan Is Forever..!!
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「公私問題」を近代政治思想史の中で問う。『丸山眞男講義録』が幕末で終わってるので、その補完にもなる。「私」だけでは「公」が死に、政治から哲学が失われる。しかし、地方利益の要求、生活という切実な問題、戦争という危機のなかで、どうやって「公」を担保するのか。松沢先生は「社会主義」に注目する。「公」や「私」とはなんだろうか、という思索へ読者を誘う一方で、近代政治思想史の本で田中正造に一章を与えるところに、先生のお人柄がよく現れていると思う。2014/08/18