出版社内容情報
作品に投影された、体験にもとづく多様性と身体性、アメリカへの批判精神。
従軍体験がもたらしたナイーヴな身体性と意外な成育歴から見えてくる多様性が、ヘミングウェイ作品の核をなしていた! 『老人と海』『敗れざる者たち』『移動祝祭日』『日はまた昇る』の4作品に、気鋭の翻訳家・アメリカ文学者が、ファンも驚愕し納得する独自の視点から光を当てる。特異な幼少期を送り、死線をくぐり抜けた彼だからこそ持ちえた、多様性への共感や深い倫理観、自然への畏敬の念。それらは、揺れる人格とセクシュアリティに悩んだヘミングウェイの意外な一面と共振する。その「弱さ」や「ナイーヴィティ」こそが、アメリカ文学を変える傑作を生み出す源だったと著者はいう。新たな解釈や読み解きから、ヘミングウェイ作品の現代性を詳述、いまこそ読むべき作品の本質を提示する。
2021年10月に放送されたNHK「100分de名著 ヘミングウェイ スペシャル」テキストに描き下ろし1章を加えた「別冊 100分de名著 集中講義」シリーズ最新刊。著者は2025年度・朝日新聞「文芸時評」欄を担当するなど、文学作品の読み解きの新しさに定評がある。その切れ味と深い説得力が発揮された、知るだけでなく「面白く読める」解説書。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみや
12
読了2025/08/30
まさにい
8
ロストジェネレーションの世代、パパヘミングウェイと呼ばれて『男』という生き物を演じていたのだなぁ、彼は。都甲さんは、ヘミングウェイそのものに焦点を当てているが、ロストジェネレーションの世代は、第一次世界大戦とその後の世界恐慌を経験し、資本主義の限界を知ってしまった人たちだと思う。その中で、共産主義的な考え方を持った人々も多かったと思う、しかし、理想と現実はかけ離れ、共産主義も独裁に繋がっていくことを知ってしまい、『なんだったんだー!』と叫びたい気持ちがあったと思うのは僕だけであろうか。2025/12/17
バーニング
3
マッチョなアメリカ男性作家というアピールに成功したヘミングウェイが隠し持っていた弱さ、アメリカ批判、そしてセクシュアリティの揺らぎなどをトピックにしながら読み解いて行くのが非常に面白い。王道の文学研究というより、現代的な視点や解釈を踏まえた文学研究の面白さが味わえる一冊。番組ではデビュー作の『日はまた昇る』を扱って居なかったがこの解説を読んで改めて読み返したいなと思った。2026/01/25
スコットレック
2
以前読んだ老人と海に衝撃を受けた。名前(よく考えたら女性っぽいな)と壮絶な人生だったという断片的な情報しか知らなかったので、さらに理解するきっかけになればと思い電子書籍(U-NEXT)にて読了。 代表作である老人と海だけでなく、その他の作品群とヘミングウェイという作家の人となりが知ることができた。 気になったのは著者の方のあとがきでの言葉。"マッチョなヘミングウェイ像には大きな問題がある"という趣旨の発言をしていたが、そうなのだろうか。2025/12/30
Shigeo Torii
1
何気なく昔読んでいた本にイロイロ解説を加えて、なるほどと思った。読み直す決心付いたかな!?2025/09/30




