出版社内容情報
「100分de筒井康隆」(2025年1月3日放送)が待望のムック化! 『脱走と追跡のサンバ』「七瀬シリーズ」から『エロチック街道』『虚航船団』まで。筒井愛に溢れる豪華著者陣の解説に加え、そこから続けて読みたい作品リストを特別に収載。筒井康隆ガイドの新定番がここに登場!
【目次】
第1章 革命と内宇宙のリズム――『脱走と追跡のサンバ』(中条省平)
第2章 拡張と回帰の物語――「七瀬シリーズ」(池澤春菜)
第3章 夢と虚構の純文学へ――『エロチック街道』(菊地成孔)
第4章 超虚構の到達点――『虚航船団』(大森望)
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kazi
18
私にとってこの作家は、近づいたり離れたり、「天才だ!」と思ったり「いや、俗物だ!」と突き放したり、その間を行き来しながらも、なんやかんや主要な作品は読んできた存在です。どうしても好きになれなかったのは、古い作品ゆえ仕方がないのですが、家父長制的な昭和の価値観・家族観がところどころに顔を出す部分。そのせいで心底のめり込むところまではいかなかった。それでも改めて読んでみると、「ああ、この人はやはり非常に尊敬される作家なんだな」と感じました。以前は長さに挫折した『虚航船団』を、もう一度手に取りたくなっています。2025/09/17
kei-zu
11
筒井康隆の著書はそれほど読んでいるわけではないが、小中高と同時代の作家だった。本書で取り上げられる「虚構船団」の刊行は、確かに「事件」だった。七瀬3部作で読了は「家族八景」のみだが、半世紀近く続編が気になっている。そろそろ読み時か。2025/10/07
アドソ
11
今年の正月に放送されていた100分de名著スペシャルの編集版。筒井康隆激推しの皆さんが書いているから当然なんだけど、読めば読むほど日本が誇る唯一無二の作家なのではないかと思えてくる。50年以上前に書かれたSFが、やや形を変えて現代日本(世界?)の病となって表れているのがすごい。中高生の頃に筒井康隆を読みまくる体験ができたのは本当によかったが、いま再び全部読み直したいという危険な欲求にも駆られている。『虚構船団』『虚人たち』などの重要な作品をまだ読んでいないことにも気づく。2025/09/07
ジュンケイ
3
テレビ放送は録画して見た。待ちに待った書籍化。4人がそれぞれ好きな作品を解説してくれている。一応、全部読んでいるが、さすがにみんなの解説がおもしろく、テレビでは語られなかった内容までしっかりと書かれているので、また読み直したくなる。実家から「脱走と追跡のサンバ」を持ってきた。どれも有名作品で、代表作なのはわかるが、入門作品ではない。個人的には「夢の木坂分岐点」が好きなのだが。2025/08/18
rockwave1873
3
筒井康隆の作品は、学生の頃に、「時をかける少女」、「家族八景」、「七瀬ふたたび」を読んだ位だし、『断筆宣言』をしたことも報道知っていた程度だったが、「100分で名著」により、如何に先鋭的な作家であるかを知ることが出来た。今度、コメンテーターが勧めている作品を図書館の筒井康隆の書棚から取り出して読んで見ようと思う。2025/08/16