出版社内容情報
孤独は人生を豊かにします。ひとりぼっちを嘆く必要はありません。
長引くコロナ禍のもと、「孤独」の問題があらためて注目されている。とくに独り暮らしの高齢者は孤立感を強めると危惧されている。しかし、孤独は孤立ではない。孤独=寂しいと否定的にとらえることをやめて、人が思索を深め、豊かな感情を醸成するための必要な時間と考えてみてはどうだろうか。ひとりの時間が増えたことに不安を抱える人たちへ、90歳になった「生き方の先輩」が贈る、人生後半を快活に生きる道案内。第2弾!
第1章 「孤独」と「孤立」について
第2章 孤独を友として生きる
第3章 クールに距離を置きながら
第4章 絶望の底の底で光を見る
第5章 見えない力が支えてくれている
第6章 私たちには「物語」が必要だ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本のロマンス
14
『苦しみと絶望の連続だと覚悟すべき』この人生を、いかに生きればよいのか・・・そのアドバイスが平易な言葉で語られていました。特に、ナチスの捕虜収容所の極限苦の状態で、生き残った者は、小さなこと、例えば漏れ聞こえてくるアコーディオンの音色にも、感動を覚え、窓に耳を寄せて聴こうとする、そういうタイプであったとの話が、印象的でした。小さな感動によって、オキシトシンやセロトニンが分泌され、精神の安定や対病抵抗力の活性がもたらされたのでしょうか?とても貴重な教示で、興味を覚えました。2024/09/26
じゃんけん
8
★★★★☆仏陀の思想、生老病死から逃れることは出来ない、生老病死の人生を受け入れ苦しみの連続の中でどう生きるかを考えるしか無い。物語には暗くて重い現実のなかにもかすかな明るい両面がありどちらを見るかで生き方が変わって来る。つらいときこそユーモアを大切に、小さなことにも感動する力が大切。物事がうまく運ばないときは「他力の風が吹かなかったと考える」うまく運んだときは「他力のほかげでうまくいったと考える」「生きていることが何より大事」、「努力はウソをつくでも無駄にはならない」などなど😂😂😂😁😁😁2025/02/24
ただぞぅ
6
この世の森羅万象が「他力」であるという考え方に共感。どんなに頑張っても報われないことはある。そんな時は、悲観せず「他力の風が吹かなかった」と考えれば絶望することもない。逆に物事が想像以上にうまく運んだ時は「自分の力ではない。他力のおかげ」と考えることで天狗にならずに済む。生きていることは、同時に生かされていること。自分の能力などたかが知れている。重力や空気といった無意識の存在も「他力」であり、自分の力ではどうすることも出来ない。自分と他力の狭間で生きている。そう思うとすべての事柄に感謝できる。2023/03/08
ゆみ★りとる
3
「他力本願」を「他人の力をあてにする、他人任せ」→そんなのよくないんじゃないの?自力でやるべきでしょう、と思っていたけど。 五木先生は『見えないところで大きな力に支えられて生きている』『見えない力が常にどこかで自分を支えてくれている』と。そんな『他力』に支えられて人は生きている…そう考えてみれば、わたしは自力より他力で生かされている部分がとても大きいことに気付いた。自分の力だけで生きていると思うのは傲慢かもしれない。2024/01/22
キャベツ
2
私はまだまだ、人生を登っていく段階。頂上にたどり着いてあとは下るだけ、というときに穏やかな気持ちになれるような生き方をしたい。「時代の光」があるから、その時々の本や芸術作品に色があるというところが印象に残った。今の日本のカルチャーは、数十年後にはどのように評価されるのだろう?誰もが迷う時代だからこそ、自分なりの死生観を見つけていくことの大切さを知りました。2024/05/05