出版社内容情報
なぜ平家は栄華をきわめ、没落したのか。戦乱のなか、人々は何を思い、どう行動したのか。古典を知り尽くした能楽師が、「あわい」「驕り」「運」「命」「浄土」などの鍵語をもとに、難解で長大な物語を一気に解説。『太平記』という「その後」から『平家物語』をとらえ直す「補講」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Rie【顔姫 ξ(✿ ❛‿❛)ξ】
24
100分で名著シリーズは、名作のレジュメのようなのが多いですが、この本は別冊のムック本で普通の本のように読み進められます。著者は能楽師の方なのですが、とても面白くて読みやすい!歌舞伎の演目「俊寛」や「熊谷陣屋」の背景が理解できました。平家物語は、物語を目で読むのではなく、琵琶法師が語って聞かせた耳で聞く物語なので、昔の言葉だけれど、響きも美しいです。とても読みやすく印象に残るので日本史を勉強している学生さんにもおススメ。2023/03/09
to boy
22
名前は知っていても読んだことのない「平家物語」。このテキストは分かりやすくしかも面白く書かれていて良かったです。光(貴族)と闇(武士)、海(平氏)と山(源氏)などの対比も面白い。最後の太平記との比較で死生観の違いの記述も良かったです。2023/02/12
shoko
18
100分de名著の平家物語解説に、補講として太平記の解説が載っている。能を引用したり、他の古典を引用したり、平家物語で使われる対立軸となるモチーフ(光の貴族と闇の武士、海の平家と山の源氏)の解説をしたりと、とにかく引き出しが豊富で面白い。平家物語も太平記も、時代の転換点を描いた作品であり、先行きが見えない現代において読み直されるに相応しいと推す。その中でも本書が特に注目して解説ポイントは、①鎮魂と死への向き合い方、②組織の持続のさせ方と統治システムの設計、かと思う。面白かった。2022/09/22
葵@晴読雨読
17
kindleUnlimitedで読了。完全に理解できてはいないけれど、面白かった。「祇園精舎の〜」の書き出しがこの物語を語っているのかなと思った。光の貴族、闇の武士という括りになるほど!ビギナーズクラシックスの平家物語や古川日出男さん訳の平家物語を改めて読んでみたい。kindleUnlimitedにも平家物語関連書籍が入っていたのでダウンロード。2023/12/12
フク
16
〈「あわい」の時代には「あわい」の書を!〉 光の貴族、闇の武士という解説に無駄にワクワクしてしまった。 嫌がらせだかのために代わりに痛めつけられる馬がかわいそう。 kindle2023/05/25