出版社内容情報
人々の悩みに寄りそい、個人の物語に耳を澄ました河合心理学がふたたび輝きを増している。河合俊雄氏が、師であり、父であり、同志である河合隼雄の全体像を平易に解説。大好評を博した「NHK100分de名著 河合隼雄スペシャル」の番組テキストに、書き下ろし新章を加えた決定版!
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田舎好きひろしの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
肉尊
16
ユング研究家として知られる河合隼雄。有名なシャドウ(影)は自分にとって悪ではなく否定的に見てきた生き方や考えを指すようだ。唯物論的無神論者の女性の夢に幽霊協会が最新号を届ける電話をかけてすぐに切るという話がその典型だ。シャドウは自分の中にもいた。それは中学校のときの友人の姿をしており、何度も夢に出てくるものであった。しかしある時、それがシャドウであると気づくと姿を現さなくなった。心理療法とはそのようなものなのだろう。2021/11/13
りっとう ゆき
7
臨床心理学者である河合俊雄が師であり父である河合隼雄について、著書を通して解説していて、今まで自分が読んできた本の内容がコンパクトにまとめられてて改めてうんうん、となる。曖昧を肯定してるとことか、ふうっと力が抜けて、ほっとするのです。2021/12/17
らる
3
物語から構造を読み解くという作業は、心理療法に通じるところがある/なんとなくきらいな人、ある点だけむやみに腹が立つ…ということがあるとき、それらは自分が無意識内に持っている欠点であることが多い/日本人の心には「中空構造」がある。中心を「空」にしているからこそ、相対立する二つのものを均衡させ、深刻な対立を回避する構造になっている。さらに、中空は様々なものを受け止めて多様性を生み出す源としても機能する/2024/06/03
Go Extreme
3
こころの問題に寄りそう―『ユング心理学入門』:入門書を超えた心理学の金字塔 悩める人とWHYを探る 隠れた自分 無意識は意識を補償 思考型・感情型 心理機能の相補性 コンプレックスは克服できるか 2つの無意識 普遍的意識と元型 自分の中の影 影と日本人の心 人間の根源とイメージ―『ユング心理学入門』:イメージの心理学 豊かなイメージを生きる 心の現実としての夢 昔話と神話の深層―『昔話と日本人の心』『神話と日本人の心』 夢が映す生き方―『明恵 夢を生きる』 「私」とは何か――『ユング心理学と仏教』2021/11/13
yaya
2
河合隼雄、名前はよく聞くのによく知らなかったので読んだ。すごく怖い夢を見た事があったが、夢分析されたらどうなっていたのだろう、と思いつつ読み進めた。アニマとアニムスの西洋と東洋の考え方の違い、考察について、もう少しきちんと読んでみたい。「ユング心理学と仏教」西洋の心理学をそのまま日本に紹介するのではなく、日本人にとっての考察をはいっているのが、凄さの1つ。本書は、あくまで100分で名著の、ムック本なので、河合隼雄導入には良かった。2021/08/15
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- 和書
- アフリカの日々 河出文庫