出版社内容情報
落語は観て楽しむだけのものではない。私たちが抱える人生の悩みをも改善してくれる。人とうまく付き合うには?ストレスなく暮らすには?いま最も本が売れる落語家が「落語流・こころを整えていく方法」を伝授。落語の歴史から代表的な噺のさわりまで、基礎知識も身につく一石二鳥の1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
89
寝る前に3代目桂米朝の落語を聞くのがマイブーム。上方落語の大阪弁は耳に心地いい。人生負けてもよろし、肩肘張って生きんでよろし、お互い様で甘えまひょと楽な気持ちで笑かしてくれる。人が殺されるなんてぶっそうな話も一切なしや。江戸の貧乏やけど平和な世の中がどこまでも続くような気を抱かしてくれまっせ。明治になって欧米に追い付けやら資本主義やらグローバリゼーションやらなんやかやって、すれっからしの世の中に「落語はこころの処方箋」になるんとちゃいますかいな?「こころのマッサージ」かいな、なんとでもいうとくれやす。2020/11/19
しげ
65
ネットやポッドキャストで好きな時に落語が聞ける便利な時代になりました。落語の起源には諸説有りますが豊臣秀吉の御伽衆(雑談係)や浄土宗のお坊さんと知りました。いずれも1500年頃らしく社会が落ち着いた江戸時代に庶民文化として一気に花開きます。なぜ落語に聞き入ってしまうのか?予々疑問に感じてましたが故談志師匠の言葉を借りるなら「落語とは人の業の肯定」著者の談慶さんやお弟子さん達への矜持、現代は損得勘定のビジネスの様な時代ですが、落語で扱われる損して得とる「商い」の様な人間関係はやっぱり良いです。2023/05/09
おせきはん
22
勝ち負け、コスパを気にしない落語の噺を通して生き方について語っています。昭和に生まれ育った者として、昭和の価値観からの転換が不可欠と考えていたところだったので、著者の考え方に共感しました。2021/05/03
かふ
21
固い本ばかり読んでいて煮詰まった頭に気分転換。最近ラジオでも落語家がよく出ているが、立川談慶は知らなかった。長く立川談志の内弟子だったそうで、落語は「人間の業の肯定」とか「勝ち負けがない笑い」とか、「与太郎の働かない生き方」の与太郎話が面白い。明治になって殖産工業化で江戸の家内制手工業はすたれて、やがて軍靴響く世の中に突き進んでいくのだが、江戸の長屋には与太郎が生きていく場所があった。「与太郎は非生産的だがバカじゃない」という談志の言葉。踊ってみせたのだ。その余裕が無くなると文化は育たない。2020/10/30
Nazolove
17
もうこの師匠の本の宣伝部長を襲名してもいいんじゃないかと思う今日この頃。(多分師匠もみてるし名乗ってみる(笑)) これは前に読んだ教養としての落語をとても噛み砕いた内容+師匠の今までの本のダイジェストといった内容ではないかな、と思った。 そして師匠的にはこういうこといってきたけどもっと詳しく知りたいならこんな私の本がありますよーと言いたいのかななんて思った。(笑) 今覚えば、この師匠のお陰で人を白黒で見ないで、いいとここうあるじゃん、悪いとここうやってなおそうよ、なんて思えてるのかななんて思った。2020/11/14