出版社内容情報
歩むべき道は、歴史に学べ
私たちは歴史の「どこ」に注目し、未来に「なに」を考えるべきか。技術が人を超える時代に必要な「知恵」とは。史上最高の歴史書が記す「文字」「心」「法」「文化」という「4つの起源」に学ぶ。古典を熟知する能楽師が、日本トップクラスの進学校・開成高校の生徒たちにいま伝えたいことを、『史記』の全体像とともに学ぶ1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フク
20
kindle。 〈私たちは、歴史というものをしばしば直線的(リニア)にとらえがちです。これは、歴史は過去から未来に向かって一直線に進んでいるという考え方ですね。でも、たくさんの人間の活動の積み重ねである歴史は、本当はもっと複雑なはずです。紀伝体で書かれた『史記』は、その複雑さをすくい取っている。そこにも、私たちが未来を考える大きなヒントがあると思います。〉2020/07/03
フク
11
#読了 〈文字があらゆる事物を二次元に微分した結果の存在〉という指摘が面白かった。 kindle再読2023/03/19
tamami
8
能楽師である著者が、高校生を前に、中国古代の建国絵巻の中に見られる、文字の発明や心と論理の生成などの本質的な意味について、判りやすく語ったもの。甲骨金文に代表される文字の発明がシンギュラリティの一つとする考え方や、それが周代に到り心と論理の生成につながったという見方など大変示唆に富む内容で、更に深く考えてみたいと思った。歴史書としての史記の面白さにも触れ、若者に「温故知新」のもつ深い意味を伝えると共に、AIを超える新しい何かを生み出すことを希望するなど、この著者はただ者ではないという思いを強くした。2020/03/18
みなみ
7
アンリミ。史記の概略を取り扱うだけでなく、甲骨文字を推測で読んでみる等内容の濃い授業。そこにある自然の恵みをいただく狩猟や漁業と違い、農業は見通しをたてなければできない。だから人類が進化したという話がたいへん興味深かった。秦と漢は法の在り方による対比。また編年体ではなく紀伝体で歴史を描くことで見えてくる重層的な構造を編み出した司馬遷はやはり傑出しているのだな……2024/11/15
帯長襷
3
アカデミックというより、体感として史記に書かれている世界を理解するような感覚の本。人間は変わらないな、と思うと同時に、文化は積み重ねで進化してきたんだなと。今の世界でも人間理解に十二分に活かせる知見として、史記の元の方も読もうと思える。2021/09/18
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