出版社内容情報
「私と一緒に『西遊記』を旅しましょう!」 “人・本・旅”が生きる糧となると説く著者が、壮大なユーラシアの歴史や人々の営みから、「君たちはどう生きたらエエのか」を、若い読者に向けわかりやすく示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
53
時代を超えて様々な形で読み継がれてきた『西遊記』。書籍だけではなく映像や口頭伝承など、その魅力を代々後世に伝えてきた。受け継がれる過程で、肉付けしたり削ったり…添削を繰り返して面白く面白く。と人々に練られながら現在もまだ進化している物語。その結果が今の『西遊記』である。途絶えさせたくないと時代時代の人々が伝承してきただけあって抜群のエンタテイメントだといえる。経典を受け取るために天竺を目指す玄奘三蔵と仲間たちのやんちゃ旅。孫悟空と沙悟浄と猪八戒のお供の破天荒ぶりが楽しい。魅力を再認識させてくれるガイド本。2024/01/08
レモン
33
孫悟空と言えば、西遊記よりドラゴンボール。最遊記というマンガも昔読んでたな。西遊記は1度も読んだことがなく、世代も違うのでドラマも観たことがない。天竺を目指すことくらいしか知らなかったので、今度子ども向けの短いものでも読んでみよう。出口さんが解説する歴史的背景や、孫悟空や三蔵の魅力に加え、「古典は間違いない」とよく仰っているので今年こそは古典をもっと読みたい。西遊記とは関係ないが、「読書に教訓を求めない」が響いた。好きな本を楽しみながら読むのが一番。2022/01/17
ロビン
17
kindleunlimitedにて。『西遊記』が好きなので読んでみたが、中学生を対象にした授業をまとめたもので、作品自体の文学的解説というより副読本的に中国の王朝の特徴や変遷など作品の成立背景や『ラーマーヤナ』のハヌマーンからの影響などが語られ、世界史の先生の参考になりそうな内容であった。『西遊記』といえば乱暴者だが純真な孫悟空と弱いけど放っておけない三蔵の師弟関係にホロリとした記憶があるのだが、本書では説教臭くなると思ったのか「笑い」に焦点が当てられて師弟物語の側面には触れられず、やや物足りなかった。2019/11/19
Sachi
10
番組は見たことがないですが、西遊記を読んでみたいと思っていたところ出口さんの特別授業がunlimited であったので手に取りました。成立してきた背景が分かりよかった。古典は面白いにきまってる。時代背景を知れば面白いと感じられる。何度もおっしゃってますが、本から何か教訓を得ようなどとと思わなくていい。面白ければいいのだ。2020/05/14
GELC
9
西遊記の中身より、古典作品の読み方を語った本。 時間、空間を超えて面白いとパターンには共通性がある。時代背景、成立経緯(西遊記は口伝が元なのでとにかく一話完結で面白さ重視)、3人のお供・5人パーティから見る組織論など。 面白かったのは本を役に立つかでは無く、面白いかで判断する視点。最初は納得し難かったけれど、最近読んだ読書術でも面白くなければ身について役立つことは無いとあって、なるほどと感じた。「本を何冊か読んだだけで仕事できるわけない、人生なめてませんか?」、先生に言われると説得力があります!2022/11/21