出版社内容情報
誰もが共有できる価値を見つけ出す哲学、それが現象学だ!
本書が著されたのは20世紀前半のヨーロッパ。あらゆる学問が発展を遂げ、人類は世界をより深く、より正しく理解できるようになった。にもかかわらず、哲学者フッサールはそこに「諸学の危機」を見て取る。客観的な真理や発見を追い求めるあまり、原点である「どう生きればよいのか」「何がよいことなのか」が置き去りにされてしまったからだ。私たち人間という存在に深く関わるこれらの問いに、学問が再び向き合うことができるよう、フッサールは「現象学」を提唱した。
生きる意味や価値を共に探り、分かち合うことで、よりよい社会のあり方も見えてくる。現象学のエッセンス、そして今すぐ実践できる、現象学を用いた哲学対話の手法を学ぶ。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GELC
9
『純粋理性批判』の解説で感銘を受けた西先生の解説ということもあり、ここ最近のテーマ本の中では最も期待している。「正しさはひとそれぞれ」「みんな違ってみんないい」の思考停止に陥らず、対話を通じた共通認識を図るための考え方をしっかり学びたい。2025/07/02
rockwave1873
2
○「客観世界は確かにあり、それを普遍的な知として取り出す事は可能だとするのが客観主義」○「客観世界そのものには誰も接触出来ない。一人ひとり、あるいは文化的共同体ごとに、それぞれの見方があるだけだ」というのが『相対主義』○『現象学』では、「あらゆる認識は全て確信・信念と考え、その中で他者と共有でき、客観世界について合致していると確信出来るもの」を『客観的認識』と呼ぶ○学問とは、「どこかに存在する客観的な真理を発見することではなく、人々が共有するにたる条件を備えているかを考慮しつつ、理論や主張を導き出す営み」2025/07/04
ナポリノロク
0
読んだので登録。2025/07/12
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