NHKテキスト 100分de名著 2023年5月
ヘーゲル『精神現象学』

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  • サイズ A5判/ページ数 116p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784142231515
  • NDC分類 134.4
  • Cコード C9410

出版社内容情報

分断の時代にこそヘーゲルの思考法が必要だ!

さまざまな分断が可視化された現代社会にこそ、ヘーゲルの思考法が必要だ!
ポスト・トゥルースの時代はなぜ訪れたのか? 意見を異にする他者と共に生きていくために必要なこととは?
矛盾や否定を重んじて弁証法によって自由を構想したヘーゲルの著作には、
不毛な対立を乗り越えて社会を形作っていくためのヒントが詰まっている。

マルクスが「私は自分があの偉大な思想家の弟子であることを率直に認め」(『資本論』)と書くように、
ヘーゲルは後世に多大な影響をおよぼした大哲学者だが、
破格のスケールで展開される思考には独特の難解さが付きまとう。

今回「100分de名著」で取り上げるにあたっては、さまざまな補助線を示しながら解説。
ベルリンにわたってヘーゲルを研究した斎藤氏が、近年アメリカで進んでいる再評価の成果も踏まえつつ、
日本の一般読者に向けて易しく解きほぐす。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おたま

68
Eテレでの放送では、毎回の構成や斎藤幸平の語り等で、一回毎には分かったような気がした。しかし、放送が終了し、全体を通読してみると、やはり『精神現象学』は巨大な課題に挑戦した、それだけに難解な本だと思う。全体としては、近代社会、特にフランス革命後の、それまでの共同体を基盤とした了解の社会から疎外された、それ故の自由でありつつも対立と分断を生み出す近代社会にあって、いかに相互承認にいたるか、それに応答するために書かれた書。歴史、宗教、文学、芸術、社会等を取り込み広範な関心領域を対象としている。2023/05/28

兵士O

52
自分と相容れない他人をその場で否定して拒絶するのではなく、まず受容すること。その後、また新たな地平が見えてくる。これとは逸れますが、僕自身、その時の選択肢では全く考えられなかったことが、次のステージに行くことで現れてくることがありました。例えば僕の場合、前の職場では己に克つことがテーマでした。でも今の緩やかな職場では自由に物事を考えることがテーマになっている。僕はそういった哲学的洞察を求めているのであって、己自身をイノベイトするとか、時代的精神とは何ぞや?とかはあまり関心はありません。でも弁証法はイイぞ!2025/04/11

Tenouji

36
ヘーゲルによる、告白と赦しは、仏教における慈悲であると理解した。ChatGPTに聞いてみても、そうだったw。「ヘーゲルの告白と赦しのアイデアと仏教の知と慈悲の考え方は、人間の問題解決において類似した視点を持っていると言えます。両者は、知と慈悲、理性と感情、個人の成長と共同体の調和など、複数の要素を組み合わせて問題を解決しようとする総合的なアプローチを提唱しています」2023/05/26

加納恭史

33
ヘーゲルの「歴史哲学講義」を読んで、彼の歴史観が良く分かった気がする。歴史的な宗教や政治のあり方が理解できると、彼の本論たる「精神現象学」に辿り着く。そこでまず本書「NHK100分de名著ヘーゲル精神現象学」から読んでみる。ヘーゲル(1770~1831)の哲学はマルクスの資本論やナチスの全体主義の批判の書物となっている。またその弁証法は対立と自由を乗り越える19世紀ドイッ哲学の中心的思想です。ヘーゲルはカントの「純粋理性批判」からの反論から始まる。彼は理性だけの倫理学では不十分とした。精神の重要性を説く。2023/07/01

no.ma

33
あの睥睨するヘーゲルの、あの難解な『精神現象学』を理解できる日がくるとは!100分de名著、あっぱれです。番組を視聴しテキストを読み終え、斎藤さんの鮮やかな解説に感服しております。意見の違いから生じるコンフリクトを、相互承認に基づいて調停し、絶えず新たな知を産み出していく。「絶対知」は、分断化された社会だけでなく、身近な自分の職場や家族でも大切ですね。でも、いきなり「然り!」とか「アウフヘーベン」とか言うとドン引きされるので注意が必要です。2023/06/03

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