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産巣日(むすび)の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かやは
14
過去の読書を通じて、知らず知らずのうちに自分は荘子の思想に近付きつつあったんだな、と思った。新しい発見があったというより「そうそう!私もそう思う!」という再認識のような感覚を持った。状況によって幸か不幸が決まるのではなく、全ては自分の捉え方次第だということ。自分を変えないことが主体性なのではなく、状況に応じて変化できることが主体性なのだということ。例え何が起きたとしても、その状況に抗うのではなく受け止め自分の糧とする。なんなら全てで遊ぶ。それが真の自由だということ。2015/06/11
葉菜枝
5
「一切をあるがままに受け容れるところに真の自由が成立する」という荘子の思想。なんとなく好きかもと思い読んでみた。「荘子」は「寓言」(他事にことよせて書かれた物語)や、重言(古人の言葉を借りて重みをつけた話)など、物語や昔の人の言葉を用いてその真意を伝えるというのが特徴的らしいのだけれど、それらを用いることでわかりやすくなっているかと思いきや、必ずしもそういうわけでもなく…。「寓言」が独特て、意表を突くもの多々あり。たまに度肝を抜かれた。 テキストは薄くとも奥深い。2015/06/28
Ando Takenori
4
これぞ、名著。小説や様々な言葉の元になっている原本であり、その内容も素晴らしい。またその考えが仏教や禅といったものにまで広がっている。とにかく深い世界。受け身こそ最強の主体性何もないことを遊ぶ、自在の境地「遊」万物はみなひとしい「はねつるべの逸話」の効率を求めることは恥ずかしい、という考えを現代にこそ提示したいものだ。2015/04/28
ゆうろ
3
再読。何度読んでも心にグッとくる考え方が書かれた本。2016/08/20
youmaysay
2
老荘思想のあるがままの状態を受け入れるという考え方は、惹かれるものがある。欲望や執着心が邪魔して難しいけれど、過ぎ去ってしまった過去を引きずったり、不確かな未来をあれこれ考えても得るものはない。それよりも今この時をあるがままに受け入れて前向きに生きられればと思う。このあたりの考え方が、今並行して読んでいるマルクス・アウレリウスの自省録の思想と類似しているのも興味深い。2015/05/16