100分de名著 〈2015年2月〉 - NHKテレビテキスト メアリ・シェリー フランケンシュタイン 広野由美子

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 91p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784142230471
  • NDC分類 028
  • Cコード C9497

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

33
『批評理論入門』の内容と大差ありませんが、形式を変えて読むと、新たな発見はあるかも知れません。第2回では内面と外面のコントラストに切り込んでいます。感情を知らない「怪物」が小説を拾って読むことで内面性を持つようになるところは、人種や時代が異なる同士でも人間には根底的な共通了解があるという、なぜひとは小説を読むのかという疑問に対する回答になっています。水面に映った自らの顔をみて落胆と憤怒を抱く「怪物」に対して、盲目の老人とだけ敵対的ではない会話が成立するところは、ロールズ「無知のヴェール」を想起させます。2020/05/02

としP

24
①:母の著作『マライア、あるいは女性の虐待』(1798年)の影響を大きく受けていると思われる。継母に虐待され、誰からも愛されなかったが故に罪を犯す女性を描いた小説である。本作に出てくる怪物もこの女性と同じ似た境遇であることは大きな発見だった。②:本作は生命倫理の問題を内包している。現実の世界における、臓器提供の為のクローン人間(コメント参照)、胎児に異常があると診断された際の中絶に通じるものがある。神の領域に足を踏み入れたことは、科学者の「罪」であり、その責任である「罰」を負わなくてはならない。2017/04/24

minimu

12
新書一冊くらいの読みごたえ!ものによってはつまらないので、新書以上とも言えるかも。今なお読まれ、演じられ続けている『フランケンシュタイン』は、約200年前に19歳の乙女によって書かれました。当時のメアリーシェリーは、その後の時代に実際に「怪物」があらゆる場面で出現してくると予想していたのでしょうか。怪物たちの暴走を止めるために、そしてこれ以上産み出さないために、現代に生きる人にもぜひぜひ読んでほしい小説です。2015/02/16

tona

12
廣野先生のこの作品に対する愛情がひしひしと伝わってくる。『フランケンシュタイン』という作品の"視覚的"イメージから入り、作者メアリー・シェリー、時代背景、批評理論等もわかりやすく説明されており、最終的に"読む"作品としての魅力を最大限に見出してくれる。今後の放送がたのしみ。これが面白かった方は、著者の『批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義』がオススメです。2015/02/05

tsubomi

11
2016.12.23-12.28:この番組、本放送で見てすごくよかったのでいつか原作を読もう、と思っていました。これは単にモンスターを登場させて恐怖心を煽るだけの物語ではなく、功績と栄光を追究するあまりに社会正義や倫理観を失う科学者の存在、異質な者を排除しようとする人間の性、自分ではどうしようもないことで受ける偏見や差別、親子関係、などなどいろんなことを考えさせられる哲学的・倫理的示唆に富んだ作品であることを複数の視点から紹介していて秀逸。“怪物とは「愛」なしには生きていけない存在”という言葉が印象的。2016/12/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9256293
  • ご注意事項

最近チェックした商品