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産巣日(むすび)の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
としP
19
「武士道」はノブレス・オブリージュ (高貴な身分に伴う義務)のこと。武士道は仏教、神道、特に儒教を源泉としている。〔勇・智・仁〕→義 、〔仁・信〕→礼 、〔義・礼〕→忠《名誉》/ 【切腹】〔鎌倉〜江戸〕自らの真心と潔白を示すために腹中を他者に見せる、武士だけに許された特権的(名誉)なもの。/ 【忍耐】相手の苦痛と供に、自分も苦痛に耐えるのが「礼」「仁」「勇」である。この3要素は《名誉》を構成するもの。《名誉》の反対は「恥」。つまり、上記の3要素を欠くことは「恥」。/ 『武士道』は日本文化論の嚆矢である。2016/11/13
シフ子
7
ライフワーク?武士について。『武士道』の解説書としてとても参考になる。新渡戸稲造はラブレーに「日本に宗教がなくて どうやって道徳教育を施すのか」と言われ返答に窮する。日清戦争で台頭した小国日本を 欧米が「好戦的で野蛮な未開の国」と見ていたため 祖国が礼儀を備えた文明国だと主張すべく 階級を超えて広く根付いた日本人の道徳体系を研究。仏教・神道・儒教の影響を受けたと説く『武士道』は日本(人)文化論である。本書では切腹の意義について図を用い長く解説。著者は新渡戸の持論と歴史を比較 史実にそぐわない点を指摘する。2012/02/24
イガラシ
4
NHKの100分で名著のテキスト。山本さんの解説は分かりやすくていい。恥を恐れる心と名誉は表裏一体にあるという。世間の目に敏感だったのは昔だけではなく、場所によっては今でもそうなのかもしれない。恥をかいて死ぬくらいなら、名誉ある死を選ぶ。桜のように潔く散るのが武士なのかな。2012/02/22
こずえ
3
番組始まったら「武士道」売切れ…。皆さん本当この本好きですねえ。講師の山本先生の筑摩新書仕入れたのに、なぜか三笠文庫指定買いが…なぜー…2012/02/07
那由田 忠
3
世界に禁欲主義や感情を抑える思想・宗教が多い。しかし、名誉心に富む武士は、強く心身共に抑制した切腹を行う。恥への敏感さと忍耐と自己犠牲。そうした抑制が、大震災の逆境にあっても、大騒ぎせず微笑みを浮かべて生き抜く力につながる。そこには光と影がある。新渡戸は武士道をノブレス・オブリージと説明したが、高潔と言えそうにない「武士の世間」への恐怖もあったろう。 武士だけでなく戦国時代の日本人は、訪日した外国人に名誉心の強さを印象づけた。武士道は日本人文化の基底につながる。刺がなく淡い色と潔く散る桜のように。2012/02/06
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