出版社内容情報
「一億総中流」意識が生んだ"受験生的公共性"とは
一般入試での大学入学者が少数派となり、年内に合格を決める高3生が増え続ける今、大学受験はもはや”戦争”では――少なくとも“国民総動員”にも似た形では――なくなった。では、かつて華々しく繰り広げられていた受験生たちの、あの「戦い」とは何だったのか? 当事者にとってそれは、どんな意味を持っていたのか? 受験に「動員」された”兵士”たちはその合格体験記を、通信添削の会報誌(旬報)や、「私の合格作戦」と題した人気書籍シリーズに書き残してきた。本書はこうした記録を読み解くことで、半世紀にわたる彼らの「感情の歴史」と、彼らが70年代に作り上げ、後に失われていった「受験戦時下の教養主義」の様相を描き出す。
【目次】
内容説明
失われた受験生的公共圏とは?伝説の通信添削「オリオン」と『私の合格作戦』シリーズへの投稿から教養主義的な議論空間の盛衰と半世紀にわたる受験生の変化を描き出す。
目次
序章 受験戦争を記録するメディア史のために
第一章 合格体験メディアの公共性―受験戦士の自分語り
第二章 「受験戦争」以前の文筆的公共性―オリオン社の軌跡
第三章 大学紛争から受験戦争へ―『ORION』から読む1
第四章 志願兵士が読む「動員」言説―『ORION』から読む2
第五章 凱旋兵士が書く「戦勝」報告―『私の京大合格作戦』1
第六章 無名戦士の「復員」記録―『私の京大合格作戦』2
著者等紹介
佐藤卓己[サトウタクミ]
1960年、広島市生まれ。京都大学文学部卒業、同大大学院博士課程修了、ミュンヘン大学へ留学後、博士(京都大学、文学)。東京大学助手、同志社大学助教授、京都大学教授などを経て、上智大学文学部新聞学科教授・京都大学名誉教授。2020年、紫綬褒章受章。専門はメディア史、人文社会情報学。著書に、『「キング」の時代』(岩波現代文庫、日本出版学会賞・サントリー学芸賞)、『言論統制』(中公新書、吉田茂賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



