出版社内容情報
魚食こそが、人類拡散の原動力だった!
なぜ霊長類の中でホモ・サピエンスだけが、積極的に魚を食べるのか? それは、もともとホモ・エレクトゥスやネアンデルタール人といった「強者」に対抗するための仕方なしの生存戦略だった。だが、人類がアフリカから世界中に拡散していく過程で、その魚食こそが飢えを満たし、交通手段を発展させ、様々な文化を生み出す原動力になった。果たして、魚食は「弱者」ホモ・サピエンスに何をもたらしたのか? 他の霊長類との比較を踏まえ、出アフリカから日本列島へと至る「大逆転の歴史」をベテランの人類学者が鮮やかに描き出す。
内容説明
裸の皮膚、華奢な骨格、平らな歯列―。ホモ・サピエンスのこうした特徴は、必ずしも生存競争に向いているとは言えない。その不利を覆し、人類に繁栄をもたらしたのが「魚食」だった。人類は、魚食によってホモ・エレクツスやネアンデルタールら、陸の王者との競合を避け、アフリカから拡散していく過程で、飢えを満たし、交通手段を発展させ、新たな文化を生み出した。果たして、それは一体どのようなプロセスであったのか?他の霊長類との比較、最新の人類史研究の成果を総動員し、やがて日本列島へと至る「大逆転の歴史」を鮮やかに描き出す。
目次
第1章 霊長類は魚を食べたか
第2章 大型類人猿と古人類の食物とは
第3章 ネアンデルタールという謎
第4章 ホモ・サピエンスにとって魚食とは何か
第5章 進化する生態的地位―水辺から海辺へ
第6章 農耕牧畜文明に漁撈の痕跡を探る
第7章 日本列島の漁撈採集民
著者等紹介
島泰三[シマタイゾウ]
1946年生まれ。東京大学理学部人類学教室卒業。日本野生生物研究センター主任研究員、ニホンザルの生息地保護管理調査団主任調査員などを経て、現在、日本アイアイ・ファンド代表。理学博士。アイアイの保護活動への貢献によりマダガスカル国第5等勲位「シュバリエ」を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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