出版社内容情報
「二インチの象牙」のような小説――それが、どうして凄いのか? 耐える女の報酬、賢い女の野望など、オースティンが描いた6人のヒロインの言動分析から、普遍的な人間の心情に迫る画期的なアプローチ。
内容説明
英文学史上最大のリアリズム作家の一人とされるオースティン。分別を失って多感になることで報酬を得た「耐える女」エリナ、成り上がる戦略として偏見を武器にした「賢い女」エリザベス、無垢の殻に激しい情念を押し込めた「おとなしい女」ファニー、勝手な思い込みで誤解を反復する「わがままな女」エマ…など、個性的な6人のヒロインの“認知の歪み”という観点に着目し、その言動分析から普遍的な人間の心情に迫る画期的アプローチ。
目次
第1章 作家と作品―オースティンの“スキーマ”を探る
第2章 平凡な女の冒険―『ノーサンガー・アビー』
第3章 耐える女の報酬―『分別と多感』
第4章 賢い女の野望―『高慢と偏見』
第5章 おとなしい女の正体―『マンスフィールド・パーク』
第6章 わがままな女の錯誤―『エマ』
第7章 あきらめられない女の夢想―『説得』
著者等紹介
廣野由美子[ヒロノユミコ]
1958年生まれ。1982年、京都大学文学部文学科(独文学専攻)卒業。1991年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程(英文学専攻)単位取得退学。学術博士。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専門分野は、英文学、イギリス小説。文部科学省科学官。1996年、第4回福原賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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井月 奎(いづき けい)
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