NHKブックス<br> 叛逆―マルチチュードの民主主義宣言

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NHKブックス
叛逆―マルチチュードの民主主義宣言

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  • サイズ B6判/ページ数 213p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140912034
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C1331

内容説明

2010年代初頭、世界中にデモが広がった。「アラブの春」、スペインの「M‐15」運動、アメリカのウォール街占拠…敵は金融業、マスコミ、警察、そして政治家だった。抵抗するのは、多様な人間の集合体=マルチチュード。かれらは自然発生的に集まり、リーダー不在のまま支配者層を動揺させた。一部の人だけを利する政治が否定され、あたらしい統治のかたちが示されたのだ。機能不全に陥った現在の代議制民主主義にNOを突きつけ、真に民主的な政治をとりもどすための「宣言」の書。

目次

序 闘争の始まり―バトンを引き継げ!
第1章 危機が生みだした主体形象(借金を負わされた者;メディアに繋ぎとめられた者;セキュリティに縛りつけられた者;代表された者)
第2章 危機への叛逆(借金をひっくり返せ;真理を作り出せ;逃走し、自由になれ;自らを構成せよ)
第3章 “共”を構成する(諸原理の宣言;構成的闘争とは何か;“共”の構成のための実例;新たな三権分立のためのアジェンダ;次なる闘争へ―共民の出来事)

著者等紹介

ネグリ,アントニオ[ネグリ,アントニオ] [Negri,Antonio]
イタリアのマルクス主義社会学者・政治哲学者・活動家。1933年生まれ。元パードヴァ大学教授

ハート,マイケル[ハート,マイケル] [Hardt,Michael]
アメリカの政治哲学者・比較文学者。デューク大学文学部教授。1960年生まれ。パリに亡命中のアントニオ・ネグリの知遇を得て、共同作業を開始

水嶋一憲[ミズシマカズノリ]
1960年生まれ。京都大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。現在、大阪産業大学経済学部教授

清水知子[シミズトモコ]
1970年生まれ。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了。現在、筑波大学大学院人文社会科学研究科専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

36
雰囲気だけで書かれたという印象を持ちます。当時のフェーズは変わったということで、アラブの春をはじめとしたストリートの思想は、一旦は潰えたということなのでしょう。本書に正当性があるとすれば、この歴史を継いでいくということになりますが、本書では負債を棒引きしようという主張と代表制を廃止しようという主張がなされています。多分、資本主義でなくても負債は生じるはずで、負債を無効化するのは歴史を無効化することと同義になるのではないか。また、代表がいないというのは市民側の責任の所在が曖昧になるのではないかと思いました。2021/05/04

みねたか@

32
斎藤氏の対談集「未来への大分岐」の関連。スペイン5.15運動、アラブの春そしてウォール街占拠。2011年に連鎖的に発生した諸運動。密接した空間の中皮膚感覚で育まれる思考、誰もがコミュニケーションをリードするオープンでフラットな活動。本書ではこれらをポスト資本主義社会の新たな意思決定モデルの萌芽と位置づけ、来るべき歴史の転換に向けた準備を勧めよとアジっている。しかしこの10年のアラブやアメリカの歩みを振り返ると、歴史の転換がそう簡単に実現するものではないとあらためて実感する。2021/07/19

パラ野

10
地中海沿岸の諸国家や、旧東欧圏で起こっていることを俯瞰するのにはいいかもしれない。地中海と言っても、一部の国々は泥沼になってしまいましたが。どこかの国でデモが起こり、警察がプロテスターを殴ったのならば、その画像が拡散されて、ギリシャで抗議集会が起こったり、Twitter上で連携したり。そんでもって、イタリアのデモはすごく激しい。連帯して身体を新しい民主主義に参入させようというパンフレットのような本ですが、日本ではかなり不可能かなと。労働の概念に面白いのあった。2014/08/12

大ふへん者

6
ネグリの邦訳最新刊。<帝国>三部作で示された問題提起と抵抗拠点=手段としてのマルチチュードの可能性について、「アラブの春以降」の展開も抑えつつ、いよいよ本格的・具体的な方法論を与えてもらえるかと期待したが、正直期待外れだった。帯には「代議制を否定せよ」「待望の具体的提言」などと書かれているが、私の求める回答は得れていない。こうなれば私たちの世代(平成生まれ世代)で理論化、具体化してやろうではないかという大それた勇気が沸いてくる。個人的にはテクノロジーがマルチチュード理論を先行する予感がある。2013/11/16

またの名

5
借金を返すために何十年も経済活動に身をやつし、ドゥルーズが嫌悪したオピニオン垂れ流しのメディアを呆けた顔で眺め、恐怖を煽られて檻のこちらとあちら側のどっちが囚人なのか区別のつかない相互監視に進んで自らを差し出すしかない社会で、代議制を信じることなどできない!と激昂して2011年のオキュパイ・ウォールストリートやアラブの春を讃えるのだけど、リーダーによる統率なきマルチチュードが如何に対抗権力たりうるかはやはり不透明。ネオリベ的な小さな国家の福祉削減が軍事・法律・事業の拡大で結局予算増になってるって話ガチか。2013/08/12

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