NHKブックス
ITが守る、ITを守る―天災・人災と情報技術

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911877
  • NDC分類 007.3
  • Cコード C1304

内容説明

東日本大震災とそれに伴う原発事故を機に顕在化したITの諸問題。かつてない非常時に、政府、企業、マスメディア、そしてソーシャルメディアなど、各情報システムはどう機能したのか。それぞれの脆弱性および柔軟性を技術面から検証する一方で、鴨長明や寺田寅彦など過去の震災を伝えた古典なども取り上げ、「情報」が有する情緒表現の重要性を説く。安心・安全な社会を築くために、今後のITのあるべき姿とは?情報工学者であり歌人でもある著者が、システムと人心の両側面から、その方向性を提言する。

目次

序章 ライフラインとしてのIT
第1章 古典の伝える大震災
第2章 非常時のITはどう機能したのか
第3章 原発事故と情報開示
第4章 情報インフラの信頼性―みずほ銀行システムダウン
第5章 非常時のデマとフィッシング―情報セキュリティ
第6章 社会情報と個人情報―大きさと個別性
終章 幸福なIT社会の実現に向けて

著者等紹介

坂井修一[サカイシュウイチ]
1958年、愛媛県生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了。工学博士。電子技術総合研究所(現産総研)、MIT、筑波大学などを経て、東京大学大学院情報理工学系研究科教授。専門はコンピュータシステムとその応用。また、歌人でもあり数々の賞を受賞、「NHK短歌」の選者も務める。主な著書に、『アメリカ』(若山牧水賞)、『ジャックの種子』(寺山修司短歌賞)、『望楼の春』(迢空賞)、歌書に『斎藤茂吉から塚本邦雄へ』(日本歌人クラブ評論賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

19

3
インターネットサービスに関するレポートのために読んだ。わかりやすく読みやすかった。日常生活や私たちが依存している政府・ライフライン提供側企業において、IT(情報処理技術)は「東日本大震災」のとき何が起こり、何が駄目で何が良く、今後どうするべきか論じられており参考になった。大川小学校の部分では自分はこの事実を4年たってもいまだに現実と受け止められず、どうしようもなくて涙し胸が締め付けられた。人間は失敗するもの、本能的なもの、という側面とシステムの側面、両側面からの提言。興味深かった。2015/04/19

遊未

2
東日本大震災、神戸の震災どころか「徒然草」からの問題提起です。人の本性は変わらない以上、こういった振り返りは必要であり、歴史、物理的な被害、システムのこと、人間の心理、感情すべてが網羅されています。そしてわかりやすい。ITも原発も「保証しないが、最善を尽くす」システムなのに、どこから原発に「保証しないが」が抜け落ちてしまったのだろう。あの時、マイクロソフトとグーグルは何をしてくれたか、帰宅難民になったら、ルートをどう考えるかまで手元に置きたい一冊です。2015/03/02

nchiba

1
ITに関わる人間として、災害時のために考えておかなければならないことがいろいろあった。震災後の情報の扱いに関するまとめとして冷静・簡潔でなかなかよい本だと思う。2012/04/22

ことよん

0
ITの専門家なのに、短歌の先生もされているからでしょうか、文章がきれいで、読みやすかったです。冷静な記述も、読む側は安心して読めました。震災におけるIT技術の役割、知らなかったこともあり、面白く読めました。2012/08/12

Shiho F

0
東日本大震災においてITが果たした役割や、浮き彫りになった問題点などを、技術の話も含みながら、非常に分かりやすくまとまった本。 災害時の心理や感情も情報だ、という意見に、目が鱗。 ITの世界ではベストエフォートが常識、だが原発はベストエフォートでもダメで、完璧な安全性を求められていたはず。それが、ベストエフォートですら実現できていなかったとは・・・。 やはり、原発は人間が扱える代物ではなかったのだと実感させられた。2012/07/11

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