内容説明
一四九二年、コロンブスが大西洋航路を発見したことをきっかけに、さまざまな植物がヨーロッパ大陸に伝来した。そのいくつかは、世界の発展になくてはならないものであった。なかでも、ジャガイモ、トウモロコシ、カカオ、トウガラシ、ゴム、タバコの六種の存在は、私たちの生活を、豊かで潤いのあるものに激変させたといえる。その伝播の軌跡を縦軸に、食文化や政治、産業などを横軸として、小さな種子たちが、私たちの文明を大きく押し上げ、現代の社会や文化を築いてきた歴史をひもとく。
目次
第1章 ヨーロッパ発展の原動力ジャガイモ
第2章 車社会を支えるゴム
第3章 お菓子の王様チョコレート
第4章 世界の調味料になったトウガラシ
第5章 生活の句読点だったタバコの行方
第6章 肉食社会を支えるトウモロコシ
終章 コロンブスの光と影と
著者等紹介
酒井伸雄[サカイノブオ]
1935年、神奈川県生まれ。1958年、東京大学農学部農芸化学科卒業。明治製菓食料開発研究所室長、食料生産部長、愛媛明治(現・四国明治)社長を歴任。食文化史家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
24
読書というより、「大人のうんちく教科書」という感想。個人的にも興味があるモノの出所をお手ごろ感ありの深さで掘り下げ解説してくれているので解り易い。モノクロながら写真が随所にあるので楽しいし。タイヤの進化に登場した人が商品名になっていたのを知り、驚いた。いつもながら食べモノの解明に一石を投じた出来事は偶然から始まり頭が痺れるほどの工夫と手間を惜しまぬ人類の努力があったのだねぇ。ジャガイモ、トウモロコシ、カカオ、トウガラシ、ゴム、タバコの6種の存在を今日の生活の豊饒の礎とし取り上げられている。2014/03/16
aki
5
ジャガイモ、ゴム、チョコレート、トウガラシ、タバコ、トウモロコシの6種の植物について。中でも、トウガラシ、タバコについては今まで文献などを読んだことがなかったので興味深かった。トウガラシに関しては、同じくスパイスとして有名なコショウとはまた違う伝播の仕方があったんだなあと思った。2014/07/05
オールド・ボリシェビク
3
中央・南アメリカ原産の野菜は多い。本書は新大陸の発見により、ヨーロッパに持ち込まれたジャガイモ、ゴム、チョコレート、トウガラシ、タバコ、トウモロコシといった作物がが世界史に与えた大きな影響についての一冊。ジャガイモは農民を飢餓から救い、トウモロコシは畜産飼料として屹立し、世界でも栽培量有数の作物となった。これらの作物の「発見」がなければ、世界史は別の歩みを遂げたのだろう。2023/11/23
我門隆星
3
食品会社出身者が書いた力作。出身のためか利点に偏っている傾向あり。ただ、他の書物(コウ「チョコレートの歴史」伊藤「ジャガイモの世界史」)への良い入口となってくれるだろう。2011/12/26
6ちゃん
3
大航海時代に新大陸から持ち帰った植物が如何にヨーロッパを利することになったのか、そしてそれがどれだけ現代の礎になっているか、簡潔にまとめられた良書。ジャガイモについてはある程度知ってたけど、カカオやゴムノキは全く存じなかったですなぁ。興味のある植物についてはもっと突っ込んで調べてみるのもいいかも。それにしても南米の文明は意外に農業進んでたんですねぇ。2011/11/14
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