NHKブックス
クジラは海の資源か神獣か

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911723
  • NDC分類 489.6
  • Cコード C1345

内容説明

クジラは寝るのか、クジラの故郷はどこにあるのか、クジラにはどの程度の知能と知性があるのか、なぜ集団座礁するのか、そもそも何種・何頭存在しているのか。まだまだ謎の多いクジラの生態を、わかっていることとわかっていないことを明らかにしつつ説き起こす。なぜクジラがここまで神格化して語られるのかや、環境保護団体との戦いの日々など、南極海での調査捕鯨に調査船団長として携わる著者にしか語れない、クジラ問題の本質。

目次

はじめに 鯨は増えているのか、減っているのか?
第1章 鯨は海の哺乳類
第2章 水中に適応した鯨
第3章 鯨だって、食べて寝る
第4章 旅をする鯨
第5章 歌う鯨、吠える鯨
第6章 自殺する鯨―ストランディングという現象
第7章 神の獣か宇宙からの使者か―J・C・リリーの功罪
第8章 イマドキの捕鯨論争
第9章 戦う調査団長―日本の南極海鯨類捕獲調査と反捕鯨団体の妨害

著者等紹介

石川創[イシカワハジメ]
1960年生まれ。日本獣医畜産大学(現、日本獣医生命科学大学)獣医学科修士課程修了。水族館勤務を経て、現在、日本鯨類研究所調査部次長。獣医師。南極海、北西太平洋の鯨類捕獲調査で調査団長を務める。南極海では13回を越える航海経験をもつ。捕鯨における動物福祉、鯨類のストランディング(座礁)を専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

159
クジラ研究の最前線を分かり易く教えてくれる。研究されているようで謎の多い動物らしく、繁殖地すらも秘密で知られていないとは。鯨類の音波のしくみ、進化。ストランディング(鯨の座礁)のしくみなど。分らないことも多いが惹きつけられる生き物だ。ところで第9章、捕鯨問題に関する闘いの記録。著者は調査船団長の立場から苦労を述べるが。かなり筆に力がこもる。汚い言葉こそ使わないが、例の話の通じない奴らにはお怒りの様子だ。活動家もせめて国際ルールを守るべきだ。2023/10/07

秋 眉雄

15
クジラという生き物そのものについて、捕鯨問題の現状について、すごく分かりやすく説明されています。クジラに関わる研究の歴史、小説や映画などでの扱いに関しても書かれていて、薄いながらも、とても内容充実の一冊でした。すでに獣医として、調査団長として十数回南氷洋へ赴いている著者。現場の人間の声というものは本当に貴重だし、説得力がありますね。2018/01/21

こぺたろう

11
読書メーターの記録を読んで、最近この著者の新作を読んでいたことを知りました。そうか、同じ方が書いた本なんだな。こっちの方がデータや歴史の経緯に触れられていて、大人向けと感じました。特に捕鯨問題の是非を論じたところは深く共感でき、読んでよかったです。2021/06/17

はるこ

1
著者の反捕鯨団体に対する怒りとか苛立ちとか透けて見えて面白い。2013/02/02

straysheep92

1
反捕鯨運動が、妥協を許さない、そしてときとして暴力を伴うという点、宗教に例えられるものであることに共感。メディアによって作り上げられた、鯨類が知性を備えた神秘的な野生動物というイメージが浸透してきたという歴史について、具体的に鯨類を扱ったSF小説や映画、ドラマの紹介をがあって、理解に役立った。2013/01/01

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