内容説明
今も日々の祈りが絶えない沖津宮・中津宮・辺津宮(宗像大社)は、農耕儀礼が中心の神道には珍しく、豪壮な「みあれ祭り」など、海洋漁労文化が花開く異色の神社である。沖ノ島の中腹に鎮座する13の巨岩には、23の古代祭祀の遺跡が集中。当時、垂涎の的だった大量の銅鏡や鉄〓(てい)をはじめ、中央政権の古墳をしのぐ超一級の遺物が出土。その数は国宝に指定されたものだけでも8万点を数える。遺跡には4世紀後半から10世紀の祭祀の痕跡が歴然と残り、およそ600年間に、岩上から露天へと祭祀の場も形態もその目的も大きく変容したことを、雄弁に物語る。朝鮮半島・中国への玄関口であり、祖国防衛の宗教センターとして、宗像大社の果たす役割は何か、どのような祭祀が行われていたのか?チベットなど世界の密教遺跡を踏査した経験、数次に及ぶ学術調査の成果を援用しつつ、宗教学の異才が、古代日本最大のミステリーに挑む。
目次
1 古代祭祀の原風景(沖ノ島の自然条件と縄文人;祭祀の時代;時代とともに生きた宗像大社;宗教学からみた沖ノ島の祭祀)
2 探訪沖ノ島(特別寄稿・沖ノ島 謎があるから豊かである;対談・沖ノ島はなぜ神の島になったのか)
著者等紹介
正木晃[マサキアキラ]
1953年神奈川県小田原市生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター客員助教授、中京女子大学助教授などをへて、現在は慶應義塾大学文学部・立正大学仏教学部非常勤講師。専門は宗教学、とくに日本密教・チベット密教。修行にともなう心身の変容、宗教図像学(マンダラ研究)を主な研究課題とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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うえ
うぃっくす
19
いなぎ
Kiyoshi Ohshima