内容説明
ストレス社会を象徴する病い「過敏性腸症候群」。下痢や便秘などの症状が腸に出るのは、単に脳がストレスや不安を感じるからではなく、実際に内臓の感覚が鋭敏だから。臨床や実験から得られた知見によって、腸の状態が脳の情動形成にストレートに影響することが明らかになったという。豊富な臨床例から脳と腸の相互関連を解き明かし、ヒトの豊かな情動を形作る「シックス・センス」の正体に迫る。
目次
プロローグ 脳腸相関
第1章 現代疾病事情―「過敏性腸症候群」とは何か
第2章 世界は腸からはじまった
第3章 脳と腸の不思議な関係
第4章 「感じやすい腸」とつきあうために
第5章 内臓感覚が情動を生み出す
第6章 内臓感覚の正体
エピローグ 脳はおのれを見ることができぬ
著者等紹介
福土審[フクドシン]
1958年秋田県生まれ。東北大学大学院医学系研究科教授。専攻分野:行動医学・心身医学。東北大学医学部医学科卒業、医学博士。デューク大学医学部研究員、東北大学医学部附属病院心療内科助教授などを経て、1999年より現職。日本心身医学会石川記念賞、アメリカ心身医学会Early Career Award、東北大学沢柳賞、文部科学大臣表彰科学技術賞研究部門などを受賞。機能性消化管障害国際ローマ3委員会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うりぼう
27
在宅勤務の課題図書に選んだ一冊。全般的に過敏性腸症候群の話。もはや現代病とも呼べる病気だが、そこに器質的な異常は診られない。原因はストレス。心因性なのだ。治療としては第1段階で腸へのアプローチ。次に抗うつ薬。それでもダメなら絶食療法!石田三成が実は過敏腸だったり、へ〜と思う箇所もあったが、タイトルのとっつきやすさとは裏腹に結構専門用語使ってるので、馴染みのない人には難しい本だと感じました。2020/04/03
ステビア
21
腸はすごい2021/11/10
yendows
5
IBS(過敏性腸症候群 irritable bowel syndrome)。バロスタット法/IBS患者は健常者に比べて痛覚過敏である。著者推測:IBSは、交感神経節後ニューロンがノルアドレナリンを放出することによる腸の運動抑制=腸を弛緩させる機能が弱くなることにより起こる。内蔵感覚。進化的に見ると腸が主で、脳が従。CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)。IBS治療。情動=脳と身体(腸)の情報循環による。という内容を踏まえて、お腹の調子と気分に意識を向けると面白そう。と思った。2015/01/14
オカピー
3
動物が最初に持った器官が「腸」ということらしい。そこから、「脳」も出来て行ったらしい。大切な臓器です。ストレスをかけないように。大体、ストレスが溜まりすぎると、お腹が痛くなる。正直に反応します。どっちかというと下痢になります。後半は、専門的なことが多く書かれていて、流し読みしてしまいました。2024/06/14
水菜
3
腸と脳のつながりがわかりやすく説明されている。特に過敏性腸症候群をテーマにしている。ストレスでお腹の具合が悪くなるのは気のせいじゃないんだな。腸をバルーンで膨らませる検査とか…大変そうだな…。2014/10/12