NHKブックス
マンダラとは何か

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910900
  • NDC分類 186.8
  • Cコード C1315

内容説明

マンダラは儀礼や瞑想の装置として、インド仏教のラストランナー密教が発明した究極の真理を表わす図像だった。本来の用い方としての、心の中に仏世界を描いてゆく、マンダラ瞑想法を紹介。さらに、マンダラ誕生の背景を仏教史の解説から説き起こし、マンダラに描かれた、仏菩薩や神々はどんな性格で、何を意味しているのか、図像学的に解説していく。また、仏教的世界観に基づいた狭義のマンダラにとどまらず、欧米やイスラム世界にも存在するマンダラ型図形にも触れる。最終章では、マンダラ塗り絵の実践を通して、マンダラが心にもたらす影響まで幅広く論じ、現代でも大きな影響力をもつ、マンダラ図像の本質に迫る意欲的な試み。

目次

序章 マンダラを定義する
第1章 インド密教の冒険
第2章 インドのマンダラ―マンダラ開発史
第3章 チベットのマンダラ―正統派のマンダラ
第4章 マンダラ瞑想法
第5章 日本のマンダラ―逸脱か発展か
第6章 世界にもある「マンダラ」
第7章 現代のマンダラ―ユングと「マンダラ塗り絵」

著者等紹介

正木晃[マサキアキラ]
1953年神奈川県小田原市生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター客員助教授、中京女子大学助教授などをへて、現在は慶應義塾大学文学部非常勤講師。専門は宗教学、とくに日本密教・チベット密教。修行にともなう心身の変容、宗教図像学(マンダラ研究)を主な研究課題とする。また精神科医の森下一氏とともに、不登校や引きこもりをなくす活動を、各地の寺院を拠点に展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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寛生

51
【図書館】ユング自身が凄まじい精神的危機から自己治癒を求めていく過程でマンダラの存在は切っても切れないものとしてあるので、本書を読みはじめる。すると、著者もユングとマンダラの関連性について言及していたので、とても興味深く読み進めることができた。ただ、ユング自身も彼の患者も、東洋にあったマンダラの存在を前もって知って描いていたものではなかったと思う。ここが、著者と僕のユングとマンダラ理解の明確な相違点だが、僕は決してユング又はマンダラのエキスパートではないので、正確なことは分らない。面白い本だと思う。2014/06/17

たらら

4
初期仏教から密教へ至る歴史的経緯がマンダラを軸にコンパクトにまとめられているのは助かる。ヒンドゥー教の台頭におされ、マンダラを取り入れ、人気キャラを取り入れ、さらには禁断の性を教義に包摂していく密教の展開は楽しい。入門としては最適。だが、ベンコルチョルテンに10回行った私はって、何度も言うのはご愛敬のうちか? 広義のマンダラ的例として、ヒルデガルドや先住アメリカ人の例を持ってくるのはいいが、マンダラ塗り絵が現代社会への寄与なのか? いまマンダラを研究することの意義を問うことの根本が何か間違ってはいないか。2011/05/24

圓子

3
瞑想のための道具。仏との一体化により悟りに近づく。日本の曼荼羅は日本独自のかたちに発展してきたものである。瞑想の実践については理解しがたし。この著者は宗教者と言うわけではなく、宗教を「道具」として扱うほうの人なのかな。曼荼羅と原型の関連については興味深い思い。最後は自身のPRね。2011/09/05

Go Extreme

1
マンダラの狭義と広義の定義 「聖なる空間」確保という本質 インド密教発、宇宙観の象徴図 大乗仏教「自利利他」精神の顕現 密教の「シンボル」重視思想 世界に遍在するマンダラ的図形の普遍性 「マンダラ塗り絵」の現代的応用 ユング心理学「個性化」への寄与 チベット密教、悟りと呪術の混在 灌頂儀礼と色砂マンダラの儚さ 日本密教、胎蔵・金剛界両部マンダラ 胎蔵マンダラ「理の世界」の図解 金剛界マンダラ「智の世界」の象徴 「両部不二」思想と共生の可能性 「宮曼荼羅」と日本の自然信仰 普遍的智恵秘める宗教的装置2025/05/17

さっくりクッキー

1
先日博物館で見たマンダラに興味が湧いたので読みました。簡潔に書かれていたので本当に入門書という感じでわかりやすかったです。マンダラの歴史や時代背景、密教の修行や伝達の途中でどのような改変があったのかを知ることができました。日本のマンダラと本場チベットのマンダラに決定的な違いがあることには驚きました。不思議で神秘的、次に博物館でマンダラを見る時は前回と違った解釈を添えて見ることができそうです。2014/07/14

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