NHKブックス
「本当の自分」の現象学

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910702
  • NDC分類 114
  • Cコード C1310

出版社内容情報

自分探しに哲学的思考で挑む!
日々の生活の中に隠されているが、どこかに「本当の自分」があり、それを探し出すことでよりよく生きられるはずだと多くの人々が考えている。しかし、どこにあるのだろうか? 本書は、自身も不全感に悩んだ経験を持つ著者が、この難問に現象学的思考法で挑む野心的試みである。

内容説明

私たちは壁に突き当たったり、孤独を感じたり、生きることに疑問を感じたとき、どこかにある「本当の自分」を探し求めがちだ。しかし、それは探そうとすればするほど曖昧になり、しばしば迷路に陥ってしまう。自分探しに苦闘してきた著者が、自らの体験を踏まえてこの難問に現象学的思考を用いて挑み、何が「本当の自分」の本質なのか徹底的に考えてゆく。自分らしく生きるために、必読の一書。

目次

序章 「本当の自分」とは何か
1章 無意識の現象学
2章 欲望と当為の自己了解
3章 「相互幻想的自己了解」
4章 他者の承認から自己承認へ
5章 自由と承認を求めて

著者等紹介

山竹伸二[ヤマタケシンジ]
1965年、広島生まれ。広島修道大学人文学部心理学専攻卒業。学術系出版社の編集者を経て、現在、哲学・心理学の分野で著述家として活動中。大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員。朝日カルチャーセンターにて「フロイト完全解読」などの講座を担当。主な論文に、「自由と主体性を求めて」(第14回暁烏敏賞を受賞)、「現代的な苦悩と自由の問題」(大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター年報第1号)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

8
「本当の自分」やら「自分探し」みたいな寝言が大嫌いなので、それらについて徹底的に批判されている内容が心地良かった。自分自身を意識するために必要なのは「他者からの承認」と、それを得るための自らの能動的な働き。「本当の自分」とは確固とした揺るぎない形で存在しているようなシロモノではなく、大量の他人に塗れて関係性の中で磨かれ変化していくモノ。見つけたいのなら否応なく社会の中に飛び込んでいくしかない。「本当の自分」は何もしないモラトリアムを擁護するためのおもちゃではない。2023/08/17

ステビア

1
「本当の自分」を実感するには自由と承認の両方を得なければならない。それは親和的他者が与えてくれることもあるが、自らの欲望と当為の分析の結果、納得できる行動をし、またそれを一般的他者の視点を借りることによって自己承認することによっても得られる(そして後者の方が現実的だ、という含意)、という感じ。良かったですよ。これからにも少しは役立ちそうだ。2012/02/19

さい

0
「承認」には「親和的他者による愛情的承認」「集団的他者による社会的承認」「一般的他者による自己承認」の3つがある。2014/08/12

童 貞夫

0
「本当の自分」を無意識の一種とし、無意識とは意識の外部に実在するものではなく、意識されていなかったものの意識への現れ、事後的な自己了解とする その立場から、「本当の自分」とは社会的に抑圧された精神の領野ではなく、自由と、他者や自己による承認によって実感されるものだと説く 本書はいわゆる「自分探し」の不毛さを的確に批判し得ているといえるし、無意識=「本当の自分」とは自分を雁字搦めに規定するネガティブな何かではなく、他者や自己との関係の中で更新していくことの出来るものだとの示唆には勇気づけられる2014/07/11

milk_takanashi_*

0
別段の発見はなし。自分のことを引き合いに出すのは確かに想像はつきやすいが、それに終わってしまう感じがする。やっぱり承認されている感覚の薄さをどう改善していけばいいのかを知りたいなあ。ここから先は自分の考え方だなあ。2013/11/18

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