内容説明
1995年兵庫県南部地震以後、地震の観測網は格段に整備され、日本列島は常時、想像もつかない動きをしていることが明らかになった。海洋プレートが列島の下に沈み込み蓄積される巨大な歪みエネルギーが、断層の高速滑りによって一瞬の内に解放されるのが巨大地震。しかし、プレートが年間10cmの高速で沈み込むにもかかわらず、それに見合うだけの地震が起こっていない。大きなギャップがある。この謎に迫るさまざまな試みの中で発見されたのがスロー地震である。マグニチュード7クラスの地殻歪みを、何日~何年もかけてゆっくり解放し、長周期の大地殻変動を起すため、人間に感知できなかったのだ。この新しい知見を地震予知にどう生かすのか?地震のメカニズムを摩擦法則によって謎解きしていく面白さに満ちた、地震大国日本に住む人々にとって必読の書。
目次
第1章 地震はディスロケーション
第2章 スロー地震とは何か?
第3章 三陸はるか沖の大型スロー地震の発見
第4章 兵庫県南部地震と地震予知研究体制の転換
第5章 次々と見つかるスロー地震―相模トラフと南海トラフ
第6章 スロー地震は何故発生するのか?
第7章 水とスロー地震
第8章 次の南海地震と東南海地震の予知を目指す
第9章 地震予知周辺の「知」
著者等紹介
川崎一朗[カワサキイチロウ]
1946年、大阪市生まれ。1976年東京大学理学部地球物理学科大学院博士課程修了。専攻、地震学・測地学。1978年富山大学地球科学教室助教授、1993年教授、2002年京都大学防災研究所教授。この間、1979‐1980年MIT(マサチューセッツ州ボストン)、1984年‐1985年コロラド大学(コロラド州ボールダー)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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