内容説明
いじめ、ひきこもり、不登校…学校現場は悲鳴を上げている。一斉指導や点数競争を強いる学校の枠が、子どもの個性やニーズに合わなくなっているのだ。また、自由学習を合法とする世界的潮流からも、子どもの人格尊重の点からも、不登校の容認は不可避である。無限の可能性に充ちた子ども達の輝きを取り戻すために、フリースクールやホームエデュケーションなど学校外の多様な学習の場が今、求められている。二〇年のフリースクールの実践を踏まえた教育提言の書。
目次
第1章 不登校はなぜ起きるのか
第2章 学校以外の道はあるか
第3章 不登校の子どもの自立
第4章 わが国の不登校を振り返る
第5章 静かな、しかし着実な動き
終章 どうすれば解決できるのか―まなざしの転換を求めて
著者等紹介
奥地圭子[オクチケイコ]
1941年、東京に生まれ。広島に育つ。横浜国立大学学芸学部卒業後、1963年より22年間、公立小学校教師。1985年退職し、東京シューレを開設、主宰する。現在、NPO法人東京シューレ理事長、登校拒否を考える全国ネットワーク代表、NPO法人フリースクール全国ネットワーク代表理事、全国不登校新聞社理事
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
38
ある読書家さんがお薦めしていたので読んでみる事にしました。私は子供の頃には正直、学校は好きじゃありませんでしたが、それでも、まあ行くのを拒否する事なく通っていました。それが、普通と思っていましたが、それ自体が、私自身の固定概念になっていたかもしれません。世の中には多様な生き方、育ち方があるんだなと読んでいて感じました。子供が学校に行きたくないのに無理やり行かせるのは、大人としては善意であるとしても、嫌がっている側からしたら地獄といってもいいかもしれません。教育の普通って何なんだと考えさせる一冊でした。2018/08/16
ゆう。
25
東京シューレを開設した著者が、不登校とはどういうことなのか、既存の学校の果たしている役割、学校外の学習の場の役割について提言している本です。学校という場で傷ついている子どもたちがいるからこそ、学校という場を絶対視してはならないのだと思うと同時に、そうした子どもたちの教育権・学習権を保障していくためには、フリースクールなどの果たしている役割は大きいと思いました。ただ無条件に学校外システムを評価しているため、夜間中学のことなどは触れていなく、教育バウチャーなど市場化の流れに無批判であることが気になりました。2016/12/03
かなで
3
英語のエッセイを書くにあたって読んだ本。私も不登校をしていたので、面白いなぁと思う部分や共感できる部分があり、勉強になりました。フリースクールについては大学で学んだことがあり、すごく素敵な教育のあり方だなと思ったので、日本でももっと一般的になるといいなと思います。 /2021年 1冊目2021/01/13
takao
2
ふむ2022/10/02
ユーカ
2
仕事の資料。日本のフリースクールの先駆けを創設した著者の闘いの記録。仕事とは関係なく、以前からホームエデュケーションに興味があったので、そこのところを読んで、自分の子どもに何かあったら全然アリだなと思った。調べるほど、日本は学びの選択肢がとても少なくて、そこから脱線してしまうと、子ども本人も自分の将来は終わったと思ってしまう。大人もそうだけど、もっと一息つけるというか、充電したいなと思ったらそれができる世の中なら楽なのにな。出来るんだけど、それをするには大人も子どもも勇気を出さなきゃならないでしょ?2014/09/22