NHK出版新書<br> 読めない人のための村上春樹入門

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NHK出版新書
読めない人のための村上春樹入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140887400
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

こう読めば、誰もが味わえる!

世界的ベストセラー作家であり、作品が50カ国語以上に翻訳されて多くの文学賞も受賞している村上春樹は、国内では「今さら読み始められない」「読んではみたが消化不良」「設定が非現実的で苦手」と敬遠されることもあった。本書は村上研究で博士号を持つ著者が読みやすい文章で村上作品の魅力と本質をゼロから解き明かす入門書。「自由の困難さ」というテーマを軸に、『ノルウェイの森』や『1Q84』などのベストセラーから「ドライブ・マイ・カー」などの短編やエッセイ、インタビューに至るまで幅広く紹介しながら、村上作品が現代人にとっていかに価値のあるヒントを与えるかを示す。未読者にも再読者にも楽しめる新鮮な入門書!

はじめに――苦しみ悩む人々に寄り添い、人生と向き合えるよう背中を押す文学
第一章 村上春樹の読まれ方 ――批評的読解と世界的共感
第二章 村上春樹の考える「自由」とは何か ――地下鉄サリン事件と「単純な物語」
第三章 「橋を焼いた」作家 ――三つの習慣と「意識の整え方」
第四章 『ノルウェイの森』と『1Q84』 ――ベストセラーの〝謎〟を解く
第五章 諸刃の剣としての「想像力」 ――「かえるくん」・「ドライブ・マイ・カー」・『海辺のカフカ』
第六章 資本主義社会をどう生きるか ――「交換」から「象」へ
おわりに――自ら作った壁に向き合う

内容説明

世界有数の人気を誇る現代作家であり、翻訳も文学賞の受賞も数多い村上春樹について、国内では「今さら読み始められない」「読んではみたが消化不良」「設定が非現実的で苦手」と敬遠されることもあった。本書はこうした(未)読者に対し、「自由の困難さ」を軸に読めば誰でも村上文学の魅力を味わえることを明快に示す。村上研究で博士号を得た著者が主要作品を解説し、やさしい文体で作家像を一新する新鮮な入門書!

目次

第一章 村上春樹の読まれ方―批評的読解と世界的共感
第二章 村上春樹が考える「自由」とは何か―地下鉄サリン事件と「単純な物語」
第三章 「橋を焼いた」作家―三つの習慣と「意識の整え方」
第四章 『ノルウェイの森』と『1Q84』―ベストセラーの“謎”を解く
第五章 諸刃の剣としての「想像力」―「かえるくん」・「ドライブ・マイ・カー」・『海辺のカフカ』
第六章 資本主義社会をどう生きるか―「交換」から「象」へ

著者等紹介

仁平千香子[ニヘイチカコ]
1985年、福島県生まれ。文筆家、フリースクール東京y’s Be学園実学講師。東京女子大学文理学部英米文学科卒業後、豪ウーロンゴン大学人文学部で修士号、シドニー大学人文学部で村上春樹研究の博士号を取得後、山口大学で8年間講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

佐藤(Sato19601027)

98
入門書だと思って読むと、その内容の深さに驚愕する。大学院時代に村上春樹を研究した著者が、村上作品/エッセイ/インタビューを読み込み、村上文学におけるテーマ「自由を生きる」に言及した著書。引用箇所を明確にしながら書いた論文だ。「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド/パン屋再襲撃/ノルウェイの森/ねじまき鳥クロニクル/海辺のカフカ/1Q84/かえるくん、東京を救う/ドライブ・マイ・カー」他の主要作品のポイントを詳細に解説して、村上文学を突き詰めている。これを踏まえて村上春樹を読みたくなった。2025/04/06

テル35

83
どういうわけか、国語だけは大好きな生徒だった。漢字や言葉を覚えて、文法は好きじゃない。でも、テストの点数よりも「世の中を幸せにしたい」そのために文学を追いかけて、答えを知りたいと願った。幸福になるためには、「不幸」とは何か、深く知る必要がある。たとえば資本主義社会の息苦しさ、不自由さ。気づかないうちに心を乗っ取られている「見えない搾取」見えない敵。不幸から離れて、自律的に自由を選び取ること。自分を縛る潜在的な無意識からの解放。心を開ける誰かに、伝える、伝わるよろこび。あらゆる文学的テーマから逃げないこと2026/02/21

ちゃちゃ

76
「自由を生きる」というテーマを軸として、村上春樹作品を読み解く視点が、まさに目から鱗だった。生きづらさという言葉がもてはやされる現代。では何が私たちを不自由にさせるのか、どうすれば不自由を克服できるのかを提示し、それが彼の作品に通底するテーマなのだと著者は説く。本作は、世界的なベストセラー作家でもある村上春樹について、主要作品を取り上げながら「自由」「主体性」「想像力」「内側の軸」などのキーワードを用いて、明晰な分析と考察がなされた論だ。ここに詳述するのは難しいが、村上作品再読に向けて非常に参考になった。2026/03/11

ころこ

50
村上作品は抽象的で、読者なりの解釈をする必要があった。そこで象徴的なものを置き換えて著者の論じたいフィールドに引き込んでいく村上批評は多かった。本書はそれをしない。恐らくそれだけでも読んでみて良かったと思えるところだ。さらに本書は批評で用いられるレトリックや、難解で背景を学習しないと理解できない学者などはほぼ出てこない。村上春樹を特権化していないが、世界中で村上が読まれる理由も納得できる。本書のキーワードは「自由」だ。だが、ギデンズのいう再帰的近代化により、世界の至るところで同じシステムが働く社会で自由を2025/12/16

syota

39
①著者は村上春樹研究で博士号を取得した方。本書では想定される読者として3パターンを挙げていて、私はそのうち「村上作品を読んではいるが、いまひとつ理解しきれず消化不良だと感じている方」に該当しそうなので、手に取った。結論としては、読んで良かった。村上文学の特質を総論として述べたあと、具体的な作品をいくつか取り上げて、詳細に論じている。今までこれが何の寓意なのかさっぱりわからなかった『パン屋再襲撃』も、60年代末の大学紛争(村上春樹の大学時代と重なる)との関連を指摘されると、なるほどと目からウロコだ。2025/08/13

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