出版社内容情報
流行に乗じたタピオカ店のしたたかな戦略とは?
二郎系ラーメンやフグ釣り漁船から、寺社のサイドビジネス、転売ヤー、そしてネットワークビジネスまで――。会議室の外で生まれる「野生のビジネス」を経営理論で読み解くと、思わぬ合理的戦略が見えてきた! 身近な例から楽しく経営学のエッセンスが学べる一冊。
内容説明
ふぐ釣り船や二郎系ラーメンから、寺院のサイドビジネス、転売ヤー、そしてネットワークビジネスまで―。会議室の外で生まれる「野生のビジネス」を経営理論で読み解いてみたら、思いもよらぬ合理的戦略が見えてきた!数多くの事例から経営学のエッセンスをやさしく読み解き、「経営者のための学問」から「みんなのための学問」へと開く、異色の入門書。
目次
第1部 私達は、不確実な社会で生きている(ふぐは釣れているか?;今日もサプリが売れていく;柳の下にドジョウは何匹もいる ほか)
第2部 野生のイノベーション(信仰と2つのビジネスモデル;とりあえず肉を焼け!;閉じて、開いて ほか)
第3部 アンダーグラウンドの経営感覚(爵位売ります;せどりが踊る;グレーゾーンを暴走させろ! ほか)
著者等紹介
高橋勅徳[タカハシミサノリ]
1974年生まれ。東京都立大学大学院経営学研究科准教授。専攻は企業家研究、ソーシャル・イノベーション論。神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了。博士(経営学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リットン
5
大企業の戦略やマネジメントを説いたいわゆる経営学は、正直、やったことない学者が何を言ってるんだ、って思ってしまう。それよりは僕はこういう草の根の野生のエコノミーを読み解いてみる方が面白いなと思う。まぁ、この本が役に立つかと言われれば、そうではないかもしれないけど、最後の方で言っているように、ハウツーとしての経営学だけでなく、新しい視点を持つための経営学というのは、個人的には好きな考え方だな2025/03/28
gokuri
5
一般読者向けに巷の経営にかかわるテーマについて、とりとめなくとりあげる。自身の経験談に多くのエピソードをまじえ、ふぐ釣り、サプリメント、ラーメン店、BBQ、爵位売買、ネットワークビジネスなどなど。 とりとめのない議論の中に、法制度の成立によるハザマ事業の成り立つこと、うさんくささ、異端なものへの人間のし好的なものを感じ、経済的な分析さて、経営に対する観察、分析はなかなか興味ぶかいが、あまりに雑然として、なんとなくしっくりいかなかった。2024/06/28
yuki
5
著者の主張に納得感もあり、面白い企画の本。しかし、軽い話が多いが文章が読みにくく、筆者の意図を正確にとらえるのが難しい気がした。ビジネスマンが読むには浅く、一般の人が読むにはテーマが合わない。狙いはわかるが、中途半端かもしれない。2024/03/05
ikura193
4
「経営学」が企業や経営者だけに固有の領域であるという固定観念から脱却し、巷間に見られる「利潤追求」や「イノベーション創出」以外の目的、すなわち生存するためにたどり着いたビジネス投機を巧みに使いこなした街中のビジネスを例に挙げながら説明してくれる。その具体例には実際に経営学の理論や概念が如何に用いられているかを帰納的に説明されるため、わかりやすいし、何より実践的であるがゆえに経営学が身近なものとして感じられる。2024/04/21
ケルトリ
2
ルールの隙間、グレーゾーンを見極めて行われている商売について解説した本。作者の思い出話などを含ませつつ書かれているのでちょっとばかり〝お気持ち〟みたいなのが多いのがたまに傷。しかしふぐ釣り船のビジネスモデル・沖縄のBBQ文化に由来する予約システム、計算可能な経営こそが最も合理的な戦略といった部分は面白かった。2024/03/11