出版社内容情報
2017年に入り、ミサイル発射と核実験を立て続けに行う北朝鮮。金正恩は本気で戦争を行うつもりなのか? 北朝鮮研究の第一人者が
内容説明
二〇一七年に入り、ミサイル発射と核実験を立て続けに行う北朝鮮。金正恩は本気で戦争をするつもりなのか?そのとき、アメリカは、日本は、世界は、どう対処するのか?北朝鮮研究の第一人者が危機の要因を明らかにし、今後の見通しと問題解決へのシナリオを提示する。
目次
第1章 世界は暴走を止められるか(核・ミサイル問題の現状;圧力路線は功を奏するか ほか)
第2章 なぜ独裁体制を続けられるのか(攻撃性と脆弱性を併せ持つ国家;金日成時代の国際関係 ほか)
第3章 なぜ核・ミサイルに固執するのか(核に対する純粋な野望;対米安全保障のお守り ほか)
第4章 なぜ国際社会を翻弄するのか(南を解放する戦い;朝鮮革命の主要な敵 ほか)
第5章 日本は北朝鮮とどう向き合うべきか(北朝鮮にとっての日本;日本における北朝鮮イメージ ほか)
著者等紹介
平岩俊司[ヒライワシュンジ]
1960年、愛知県生まれ。南山大学総合政策学部教授。東京外国語大学朝鮮語学科卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科(政治学専攻)博士課程単位取得退学。博士(法学)。静岡県立大学国際関係学研究科教授、関西学院大学国際学部教授などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えちぜんや よーた
87
難しかった…。朝鮮戦争のところしか分からなかった、すんませんorz。東アジア方面の学術研究者・ジャーナリスト・外交・防衛担当者以外でどんな人が理解できるのか思わず考え込んでてしまった。外交と防衛は特殊なサービスで政府にしかできないので「お任せします」というような気分になった。本当は数年に1回行われる選挙のときには考えなければならないのだが、池上先生がされる説明ぐらいにしてもらえないと一有権者として外交・防衛分野専門の政治家を選ぶことができないことを実感した。2018/02/26
樋口佳之
25
ブッシュ大統領の回顧録『決断のとき』のなかにあった。要約すると、ブッシュは二〇〇三年一月から二月にかけて、北朝鮮に核兵器開発を続けさせれば、日本─アジアにおける中国の歴史的な競争相手─が核兵器を開発するのを止められなくなると江沢民主席に説き/中国は、二国間でしか交渉しないという姿勢を一八〇度改めて、三者協議を準備し、それがうまくいかないと今度は六者協議に拡大して準備したのである。こうした変化の背景には、先に述べたアメリカの「脅し」があった/日本の核武装が外交の舞台でリアリティを持っているという事?2018/06/05
skunk_c
25
朝鮮政治の専門家の手による概説書の改訂版が出た。金正恩の最近の動きについての章を冒頭に加え、その核・ミサイル開発の狙いを、アメリカに対する不信感による、実質的な核戦力の完備によって、アメリカとの対等な交渉に臨むこととする。イラクやリビアの権力者の末期を見た者からすると、核放棄にはおいそれと応じられないとのことだ。2章以降はほぼ前著と同じで、北朝鮮の政治と外交の変遷がコンパクトにまとめられ、また日本の関わり方など、冷静な記述で腑に落ちる部分が多い。北朝鮮情勢の目下の入門書として最適な良書だと思う。2018/01/01
那由田 忠
20
定評のある著者のしっかりした説明と分析の北朝鮮本。特にすごいことがかいてあったり、はったりをかませる予測が書いてあったりすることはない。歴史的順序で書かれていないので困るところはあるものの、どんなことがあったのかを確認し、知らない情報を補充するために読んだ。バククネ政権が北への統一を構えていたのは知らなかった。民族の凝集性で説明しているが、北による哨戒艦沈没事件など戦争に突入するような事件でも不思議におさまるそうだ。核・ミサイルを保持した理由は著者にもわからないのだ。関心のある方は読んでおいた方がいい。2018/07/31
ともふく
7
今の北朝鮮問題を過去の歴史から振り返る。ラングーン事件や大韓航空機爆破事件、幾多の拉致事件など…。北朝鮮は自国の利益のためにいかに非道を積み重ねて来たか改めて思い出す。そして、緊張と対話を繰り返して来たことも。今の平昌オリンピックを利用した、微笑み外交も全く同じことの繰り返し。騙されてはいけない。この国と簡単に握手などできない。2018/02/11