内容説明
一八歳まで自宅監禁されていた少女、車内に放置されミイラ化していた男の子―。虐待、貧困、保護者の精神疾患等によって監禁や路上・車上生活を余儀なくされ社会から「消えた」子どもたち。全国初の大規模アンケート調査で明らかになった一〇〇〇人超の実態を伝えると共に、当事者二三人の証言から悲劇を防ぐ方途を探る。二〇一四年一二月に放送され大きな反響を呼んだ番組取材をもとに、大幅に加筆。
目次
第1章 一八歳まで監禁されていた少女
第2章 「消えた子ども」一〇〇〇人超の衝撃
第3章 貧困のせいで子どもがホームレス、犯罪に
第4章 精神疾患の親を世話して
第5章 消えた子どもたちの「その後」
第6章 自ら命を絶った「元少女」
第7章 「消えた子ども」の親の告白
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鈴
41
自分ができることといったら、少しでもおかしいなと感じたときに、踏み込む勇気をもつことくらいだろうか。平和であるはずの日本に生まれながら、義務教育の小学校中学校にすら通えず、必要最低限の暮らしすらできていない子がいる。隣近所の家族構成がわからないというのは、都会だけとは限らない。どうやったら、隠されている子供に気付くことができるのだろう。2016/04/17
ゆう。
40
社会との繋がりを絶たれた「消えた子どもたち」が社会問題となっている。このタイトルは、子どもを対象とした仕事をしている者として、とても衝撃的でした。親の虐待を始めとした養育困難が子どもたちを見えなくしている面もあるのだけど、親が子どもを見えなくさせてしまう要因も探らないとこの問題は解決しません。子どものSOSに社会はどのように気づき、何ができるのかをもっと考えないといけないと思いました。そして、子ども家庭福祉の専門職は何ができるのか、また何ができない現状があり、何を開拓していく必要があるのか深く考えました。2018/04/12
かんちゃん
32
言葉にならない。痛ましい事件が後をたたない。しかし、報道されているのは氷山の一角に過ぎず、その陰では数千人の子供たちが今もどこかで助けを求めているのだ。親を責めるだけでは何も解決しない。ゆとりのないギスギスした社会。考えさせられる。2016/03/06
田園の風
31
子供を愛せず虐待やネグレクトを繰り返す親、貧困からの逃避に子供を巻き込む親、精神疾患が一因となり子供の養育が出来ない親。消えた子ども達の原因となっているのは親だ。だが、そういう親を生まない社会を作り上げることは難しい。結局、消えた子供を生み出さないよう、役所が縦割りを改めて相互に連携するしか手はないのか?無力感を感じざるを得ない。2017/02/06
テツ
30
うちにも親はいなかった(まあ厳密に言えば途中で両方とも新しいパートナーをこさえて消えたんだが)が代わりに祖母がいた。でもこの日本にはそうした最後の砦もなく無計画で生活能力のない親の生き方に振り回されて人生の初期で躓くこども達が山ほどいる。周囲がもっと注意していれば。声をかけていれば。交流していれば。何か行動していたら不幸の円環に巻き込まれなかったかもしれないこどもが山ほどいる。それを忘れずにいて実際何かを目にしたら躊躇なく行動出来る大人でありたい。全てのこどもが祝福される世界であって欲しい。2017/03/21
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